F1種は何が問題なの?
皆さん、Aloha!オガライフライターのMasaeです。
前回の記事では、種子法の概要と種の種類について書きました。引き続き、種の大切さそして種子法について書いていこうと思います。
前回の記事で、F1種は雄性不稔という遺伝子異常の株を利用するため、第2世代ができないということを書きましたが、遺伝子異常の作物を食べることになるということに加え、『自家採種ができない』という問題点もあります。
種苗法で登録されていない品種であれば、農家では自分の畑で出来た作物から自家採種して、次のシーズンも作物を育てることができます。
しかし、F1種の場合はそれができない、またはしないため、種を種苗会社から毎年買うことになります。
この種苗会社で世界最大手の会社は、モンサントだったということをご存知でしょうか?
モンサントは除草剤に強い遺伝子組み換え農作物の種子と、除草剤のラウンドアップで有名な企業でした。しかし2018年にドイツの農薬大手企業のバイエルに買収されたため、現在はその企業名は消滅しています。
現段階では、F1種の人体への影響は不明です
雄性不稔という遺伝子異常を利用するものが多いため、F1種は男性不妊を引き起こすのではないかと言われていますが、その真偽は不明です。
遺伝子組み換え食品もそうですが、すぐに何かの不具合や病気の引き金になるものではないと思いますが、大きなサイクルで見ると、やはり不自然なものには怖さを感じてしまうのは、私だけでしょうか?
種を制する者が世界を制する?
F1種を使う目的の大部分は、狙った形質の作物を作るためです。
その目的のために、F1種から自家採種することはほとんどありません。そのため、農家は種を毎年種苗会社から購入することになります。
そうなると、種苗会社も民間企業ですから、売れないものは消滅することになります。今までに絶滅した動植物を見ればわかる通り、一度失われたものを蘇らせることはほとんど不可能ですから、生物としての多様性も失われることになります。
当然のことですが、農作物、特に野菜を育てるには種が必要です。これからの食糧事情は、種を制する者が世界を制するということにもなりかねません。
世界の食糧事情はどんどん複雑になっている
前回書いた通り、種子法が制定された目的は、太平洋戦争での食糧難を経験した日本が食糧を確保することでした。
質の良い種を確保し続けるのには多大な手間とコストがかかります。それを行政が行うことによって、食糧を確保しようとしたのです。種子の生産自体は都道府県のJAや普及センターなどが担っていますが、地域に合った良質な種子が農家に行き渡るように、農業試験場の運営などに必要な予算の手当などは国が責任を持って担ってきたのです。
政府や農水省は昨年の廃止の際に、「国が管理するしくみが民間の品種開発意欲を阻害しているから」と理由を説明しています。
しかし、いち消費者としてみる限り、米などは常に品種改良されているように感じていましたし、それよりも食物の安全性や安定供給の方が気になります。
食べ物を取り巻く環境を知ろう
自分が食べたもので自分の体が出来ているとするならば、自分はどんなものを食べたいのか。
そんな単純なことから調べることになった遺伝子組み換え食品、種と種子法でしたが、日々の生活の中ではその複雑さをなかなか理解できません。
しかし今回調べることによって、利益の追求のために安全性がないがしろにされていないかを改めて考えることができました。
農薬や遺伝子組み換え、種子についてなど、いち消費者として情報をキャッチしていくことも大切なことだと実感したため、ぜひ皆さんと共有したいと思い、記事にしましたが、いかがでしたでしょうか。
これからも大切だと思うこと、気なることが出てきたら記事に書いていこうと思います。