アーユルヴェーダとは
はじめまして。今回からコラムを書かせていただくことになりましたブラフ弥生です。アーユルヴェーダスクール&サロン「Herbal Ayurveda」を運営しております。
今回は初めての記事回なので、まずアーユルヴェーダの基本理論を少し説明させていただきます。アーユルヴェーダは、「アーユス=生命」と「ヴェーダ=教え、知識」が合わさった言葉です。約5000年前にインドで発祥してから現代まで、脈々と伝えられている生命科学で、病気の治療だけでなく予防医学としても注目されています。インドやスリランカでは医学として確立されているアーユルヴェーダですが、その知恵は、世界のどの国や文化でも通用するものです。なぜならば、自然の法則に沿った知恵の宝庫だからです。
アーユルヴェーダの基本理論
アーユルヴェーダでは、宇宙のすべてのものは、空・風・火・水・地の5つの元素で成り立つと考えます。この5元素を三つの働きに分けたものが、「ヴァータ=空・風のエネルギー」「ピッタ=火・水のエネルギー」「カパ=水・土のエネルギー」です。
- 「ヴァータ」=動かし流す働き
- 「ピッタ」=変換し代謝する働き
- 「カパ」=結合させ構築する働き
この3つのエネルギーで私たちの生命活動は成り立っており、アーユルヴェーダの体質理論の基本となっています。
アーユルヴェーダで見る冬の特徴
自然界のエネルギーは、私たちの心身に大きな影響を与えます。アーユルヴェーダでは、季節や時間も上記の3つのエネルギー理論で考えます。
春は、カパ(水のエネルギー)、夏はピッタ(火のエネルギー)、秋はヴァータ(風のエネルギー)が優勢です。季節ごとの優勢なエネルギーと、個々人の体質や生活習慣を合わせ見て、健康や美容を促進する生活法を導き出します。
冬は、お正月シーズンあたりを前後で分けて考えます。例えば、クリスマスやお正月前と、新年開けた頃からでは、例えば同じ『冷え』でも感覚が違うと思いませんか?前半は、風に吹かれているようなカラッとした冷え方で、後半は、氷に浸かったような冷え方に感じる方も多いと思います。アーユルヴェーダでは、初冬は「ヴァータ=空・風のエネルギー」が優勢になる時期。風に吹かれた後のように、私たちの体は乾燥し冷え、体力は消耗されます。心は落ち着きがなくなり不安が増すこともあります。晩冬は、「カパ=水・土のエネルギー」が優勢になる時期です。水と土は混ぜると粘土になります。粘土は、粘着質で重さがあります。私たちの体も、動きにくくなり、しっとりとした冷え方になります。
冬の冷えを解消するアーユルヴェーダ的ポイント
アーユルヴェーダの健康法の基本は、『同じ質を増やしすぎないこと』『逆の質を与えること』です。
「冷たい」⇄「温かい」
「軽い」⇄「重い」
のように、質を見て何が必要で不必要かを考えます。初冬ヴァータの優勢な季節は、「冷たい」「乾燥」「軽い」「動く」などの質があります。これらの質が増えてしまうと不調の原因となります。逆の質である「温める」「保湿する」「安定させる」「静まる」ことを心がけることが、初冬を快適に元気に過ごすコツです。
今回は初回だったので、アーユルヴェーダ の基本理論をメインにお伝えしました。次回からは具体的な「セルフケア法」「食事法」「スパイス術」についてお伝えします。