シンギングボウルとは?
シンギングボウルって聞いたことはありますか?日本語に直訳すると「歌う器」なのですが、紀元前2000年前より、ヒマラヤ周辺、インド、ネパール、チベットで使われてきた器です。食べ物を入れたり、献納品を受け取るために使われたりもしていたのですが、木のスティックでたたいたり、縁をこすったりすることによって奏でられる音はネガティブなエネルギー浄化するので、儀式やシャーマニズムでは神聖なものとして扱われてきました。
伝統的にシンギングボウルは、金、銀、水銀、銅、鉄、錫、鉛の7つの金属からできています。この7つの金属は7つの惑星、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星と関係があると言われています。1週間は7日間、虹の色も7色、そして音階も7つ、ラッキーセブンという言葉もあり、7という数字は神秘的な意味を持っています。シンギングボウルには、手のひらサイズの物から、中に入れてしまうぐらい大きなものまで様々な大きさがあります。直径8㎝から35㎝位の物が一般的です。大きさ以外では、満月の日に作られたというものや、子宝にめぐまれるためのもの、シャーマニズムのためのものなどもあります。色々なものがあって、どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。シンギングボウルを選ぶときは、鳴らしてみて、自分の気に入った音を奏でてくれるものを選ぶのが一番良いと思います。直感で選んで間違いはないです!
シンギンボウルの音は、響きが長く、倍音になっています。重なり合う音のハーモニーが心を癒してくれます。音に耳を傾けるだけでリラックス効果もあり、意識が音へと自然と向かうことにより、瞑想と同じような状態になります。そんなシンギングボウルの魅力をたくさんの人に知って欲しいなと思います。
シンギングボウルで聴覚をやさしく刺激
シンギングボウルの音の出し方には、スティックでたたく方法とボウルの縁をやさしく時計回りにこする二つの方法があります。スティックでたたいた場合はとても鮮明な音、縁をこすった場合は深い響きのある音が生み出されます。スティックの大きさを変えると、同じシンギングボウルでも全く違う音が作り出されます。一つのシンギングボウルから奏でられる音は倍音になっています。基本の音だけではなく、その複数倍の振動による音が生み出されます。例えば、基本の音がドだったとすると、大体ファからソまでの音が振動によって生み出されます。私の一番のお気に入りのシンギングボウル(直径約28cm)は、基音がドで133hz、そして倍音がソまで奏でられ、一番高い周波数が1393hz になります。133hzから1393hzまでの音が一度たたくことによって作り出され、振動がなくなるまで約2分から3分かかります。
シンギングボウルはたった一つでも十分なハーモニーを作り出してくれるのですが、もしも二つ以上を組み合わせる場合、おすすめの組み合わせ方があります。二つの場合、オクターブ(例: ド1ード2)になるのが理想と言われています。オクターブは周波数が2倍になります。オクターブのハーモニーは元気を出してくれたり、幸福感、自信を与える助けをしてくれます。また、心を開放したり、気分転換をするのに良いとも言われています。二つのシンギングボウルの音が調和されていれば、オクターブでなくても問題はありません。3個のシンギングボウルの場合は、音階が1度、3度、5度 (例:ド、ミ、ソ)、もしくは1度、5度、8度 (例:ド、ソ、ド)の組み合わせが一般的には良いと言われています。
シンギングボウルより生み出される深い音色は、聴覚を優しく刺激してくれ、耳では聞き取れない音を体は振動により認識します。頻繁にシンギングボウルを奏でていると、一つの音と次に奏でられる音との間にある静寂の瞬間にも気づくようになっていきます。聴覚がシャープになることにより、自分自身の内面も研ぎ澄まされていきます。
シンギングボウルによる倍音の効果とは?
音は、心と神経器官を刺激するので、精神状態や感情の変容を促すために使用することができます。シンギングボウルセラピーの一番の効果は心を穏やかに浄化してくれることです。筋肉の緊張をほぐすのを手伝ってくれ、不眠、不安、ストレス、怒りの感情を軽減してくれる効果もあります。頭痛、高血圧、関節痛、目の疲れなどにも効果があると言われています。ストレスからくる体の不調は色々ありますよね。ストレスを緩和することで、心と体のバランスを取り戻すことをシンギングボウルセラピーは助けてくれます。
また、音の振動が体に伝わることにより、体全体のエネルギーも浄化してくれます。体の上にシンギングボウルを置いて奏でると、人間の体の約70から75%は水によりできているので、振動が体全体に入ってきます。体に伝わるその振動は、共鳴の原理によって細胞、分子レベルでも影響を与えると考えられています。振動によるマッサージは、至福のひと時をプレゼントしてくれます。
シンギングボウルがリラックス状態を作り出す理由!
瞑想は、集中状態の延長線上にあります。ということは、集中するオブジェクトが必要です。ヨガなどでは、呼吸に集中するのが一般的です。シンギングボウルを奏でると、自然と心は倍音に集中していきます。また、深い倍音の振動が体の中にも伝わってくるので、心地よい音と振動を感じていると、頭の中で何か他のことを考えるスペースはだんだんと消えていってしまいます。つまり、注意力、集中力が刺激され、ナチュラルに瞑想状態へと誘導されます。意識して音を聞くという状態は、今ここに私はいるということを感じることで、これは瞑想においても重要なポイントですね。さらに、シンギングボウルの音と共に出る振動は脳波に作用し、アルファ波を誘導することができるといわれています。アルファ波はリラックス状態や幸福感を感じている時、夢を見ている時に出る脳波です。深い瞑想状態に入った時にもアルファ波が脳内に発生します。シンギングボウルの音に身を任せている状態の時、脳は自然に深い瞑想状態にあるということです。私は、瞑想に入る前に5分間ほどシンギングボウルを鳴らします。心が落ち着いて、集中しやすくなるので、その後の瞑想をより深いものにできると感じています!
毎日の生活にシンギングボウルを取り入れてみよう!
シンギングボウルは日常生活の中に簡単に取り入れることができます。ベッドの横に置いておき、寝る前に鳴らしてみると、心地よく眠りに入れます。掃除の後に、シンギングボウルを奏でながら部屋を回って、エネルギーを浄化したりなんていう使い方も!パンを作ったときに、発酵中に生地の上からシンギングボウルを奏でるとフカフカのやわらかいパンになるという効果もあります。農業を行っているセラピスト仲間は、育てている果物や野菜の上にもシンギングボウルを奏でるそうです。とっても甘く、大きなアプリコットができたそうですよ!
色々なシチュエーションにシンギングボウルの効果は使えますが、一番のおすすめはやっぱり、一日の始めや、終わりに静かな場所に座り、左手でシンギングボウルを胸の高さで持ち右手で奏でるという方法です。左手に感じる振動は、五感や感情をつかさどり、クリエイティブ性や直感力を生み出すと言われている右脳をやさしく刺激してくれます。疲れたなと感じるときや、イライラしている時に、鳴らしてみるのもとっても良いですよ。何も考えずに、ただ奏でられる音に耳を傾けてください。シンギングボウルから出る倍音に、体も心も癒されるはずです!
最後に、私のシンギングボウルセラピーの先生は、「シンギングボウルは願いを叶えるのを手伝ってくれる!」と言っています。はっきりした理由は説明できないそうなんですが、45年間の経験から断言できると言っています(笑)私のつたない経験からも、その可能性は大いにあると実感している今日この頃です。次回は、シンギングボウルとエッセンシャルオイルを使ったお家で簡単にできるシンギングボウルセラピーをお伝えできたらと思っています。シンギングボウルの振動で、香りが充満します!聴覚と同時に嗅覚も刺激するとどんなことが起こるのでしょうか?お楽しみに!
オガライフライターYoko さんのプロフィール