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アーユルヴェーダアドバイザーが月経について解説
女性には、毎月自分のカラダの中に溜まったいらないものをデトックスするために、月経があります。この機能は女性だけに備わった、大切なシステムです。ですが、多くの女性はそのシステムがどのようなものなのか、どういった役割があるのかを知りません。今回は、女性に備わる大切なシステムである「月経」について世界三大医学の一つであるアーユルヴェーダに考えを元に解説します。
女性のカラダの仕組み〜何故月経があるの?〜
そもそも何故、女性の身体にだけ月経があるのでしょうか。女性のカラダには、大切な機能が備わっていました。ここでは、その仕組みについて解説します。
・女性のカラダに備わる月経の仕組み
女性のカラダには妊娠・出産という大切な役割を果たすための機能が備わっています。女性のカラダでは、約1ヵ月に1度、卵巣から卵子を排出し(排卵)、子宮内膜を厚くして、受け入れ態勢を整えて受精卵を待ちます。 ところが、卵子が受精しなかった場合、準備した子宮内膜がいらなくなるため、剥がれて体外に排出されます。 この時起きているのが、月経です。
アーユルヴェーダ流!女性のカラダとお月さまとの関係性
アーユルヴェーダをご存知でしょうか?アーユルヴェーダは、世界三大医学のひとつで、アーユル=生命、ヴェーダ=知恵、科学などと訳されます。ここからは、アーユルヴェーダ についてと、女性のカラダと月の関係性を解説します。
・アーユルヴェーダとドーシャって?
アーユルヴェーダは、インド・スリランカから伝わってきた5000年もの歴史があります。アーユルヴェーダでは、この世に存在するものは皆、空、風、火、水、地の5つの性質があると考えます。これを、五元素理論といいます。さらに、それを2つずつの組み合わせにし、空と風をヴァータ、火と水をピッタ、水と地をカパの3つのタイプに分けます。これをドーシャといいます。
・女性だけが持つデトックス
アーユルヴェーダで、月経は、デトックスの時期と考えます。また、どのドーシャが強く現れているかにより、その時の症状が異なります。
・女性のカラダと月の関係性
月にはパワーがあるとされています。それはどんなパワーかというと、地球を引っ張る力である、「引力」です。潮の満ち引きも、引力によるものですが、私たちのカラダも70%異常が水でできているため、当然この引力の力を受けるのです。
アーユルヴェーダ的女性のカラダの整え方
アーユルヴェーダで月経は、浄化の一つと考えます。一ヶ月に一度、体内に蓄積した毒素(アーマ)を洗い流してカラダのメカニズムを整えることが月経の目的とされています。また、ヴァータの性質である「空」や「風」の要素が高まるため、不安定になやすく、気持ちもゆらゆら、フワフワしがちですが、無理に頑張ろうとするのではなく、カラダからのサインをしっかり感じ取り、ご自身のカラダを労ることが大切です。月経はわずらわしいものと思いがちですが、月に一度訪れる女性だけのデトックス期間なのです。
つらい月経時を快適に過ごすために大切な7つのこと
最後は、つらい月経時を快適に過ごすために必要な7つのことを紹介します。
①睡眠をたっぷりとる
とにかく睡眠は大切です。ですが、寝る時間になってから睡眠をとる準備をしたのでは遅いです。深く質の良い睡眠を得るためには、朝日を浴びることがとても重要なんです!朝、起きたら、カーテンを開けて、思いっきり朝日を浴びましょう。朝起きて、目に光が入ると、脳に指令が届き、メラトニンの分泌が止まります。そして、14〜16時間後に、再び脳から指令が届き、メラトニンが分泌されると言われています。太陽のチカラを借りて、質の良い睡眠を目指しましょう。
②カラダを温める
カラダを冷やすと、血管が収縮するために、その中に流れている血液も流れにくくなってしまいます。特に末端は冷えやすいので、手先足先を冷やさないように注意しましょう。半身浴をしたり、湯たんぽなどで、内臓を温めてあげてください。
③消化の良いものを食べる
つらい月経時は、胃に優しい食事を心がけましょう。固形物や脂っこいものを多くとると、内臓にも負担がかかり過ぎてしまいます。そんな特にオススメなのはスープ。じっくり温め、食材の旨味がギュッと染み込んでいるので、胃に優しく届き、カラダを芯から温めてくれます。
④リラックスする音楽を聴く
自然を感じる音や、リラックスする音楽を聞いて、心身を休めることも大切です。スマートフォンなど、機械を通して音楽を取り入れることもいいですが、時間に余裕のある時などは、自然の音を直接感じることもオススメです。鳥の鳴き声や川が流れる音など、自然に溢れている音に意識を向けてみましょう。不規則な揺れである「1/fのゆらぎ」は、心にもカラダにも癒しを与えてくれます。
⑤たくさん眠る
睡眠はとても大切です。悩み事や心配事があるときは、脳が働いていて、良い睡眠を取ることができません。五感を優しく刺激して、質の良い睡眠をとるよう、心がけましょう。また、眠りやすい空間を作ることも大切です。照明や香りにも気を配り、ご自身の心やカラダがほっとできる空間を作り上げましょう。
⑥呼吸を深くする
呼吸のコントロールをすると、自律神経を自分でコントロールできるようになります。忙しい日々を過ごしていると、交感神経が優位になりがち。そんな時は、呼吸も浅くなっているはずです。気持ちがセカセカしているなと感じたら、呼吸に意識を向けてみましょう。鼻から大きく息を吸い、口から息を細く長く吐き出してみてください。3回ほど繰り返すだけでも、気持ちが落ち着くはずです。
⑦ノートに今の気持ちを綴る
女性ホルモンの乱れによりモヤモヤしたり、イライラしやすい時期は、気持ちを整えることも大切。お気に入りのノートとペンを机に置き、寝る前に、今の気持ちを綴ってみましょう。誰にみられるわけでもないので、思ったこと、感じたことをそのままノートへ記します。視覚化することで、不安は軽減されます。
今回は、女性の身体に備わる月経の仕組み、そしてアーユルヴェーダから見た月経について紹介しました。私たち女性の身体に備わる、この大切な仕組みを労わりながら過ごすことができたら、素敵ですよね。身体のバランスを崩し、つらい月経時期を過ごす女性も少なくないです。今回の内容が、皆さんがより良く、もっと楽に過ごせるヒントになるよう願っています。
オガライフライター 伊藤 利枝さん のプロフィール