年々増加する海外旅行客数
皆さん、Aloha!オガライフライターのMasaeです。
私は国内外含め、旅行することが大好きです。日帰りの小旅行から1週間以上の長いものまで、どこに行こうか、何を見ようか、考えているとワクワクします。皆さんはいかがですか?
日本政府観光局によると、2018年の日本人出国者数は1,895万人となっており、20年前(1989年)と比べると約2倍となっています。また、訪日外国人の数は3,119万人だそうです。平成という時代は、海外旅行が身近になった時代でもあったのですね。余談ですが、JTB総合研究所によるとここ数年の人気渡航先は、1位:台湾、2位:ハワイ(オアフ島)、3位:韓国となっているようです。
レスポンシブル・ツーリズムとは
今年の4月、ハワイ州観光局はレスポンシブル・ツーリズムを推進するために、『アフプアア・プロジェクト』というものを立ち上げたと発表がありました。
レスポンシブル・ツーリズムとは『責任ある旅行』という意味で、その目的は「自然を破壊せず、また住民の満足度を落とさず、文化を守りつつ、長期にわたり、しっかりと持続できる旅行形態」とされています。
アフプアア・プロジェクト
https://www.aloha-program.com/ahupuaa/
日本人が大量に海外に行き始めた頃のハワイ旅行は、とにかくリゾートを満喫するのが目的で、現地の文化や伝統を知ることは二の次でした。しかし、近年、旅客の大量輸送が可能になり、移動が簡単になったことによって増えた旅行客が、現地の環境に与える負荷が問題になってきています。旅行客も受け入れ側にもメリットがあり、満足度が高くなることを目指したのがレスポンシブル・ツーリズムです。
ハワイの固有種、マイレを知る『マイレ・プログラム』
私はもともとエコ・ツーリズムやレスポンシブル・ツーリズムに興味があり、今年の4月再びハワイ島を訪問する際にもっとハワイの自然や植物を知りたいと思い、10年来の友人で、ネイティブハワイアンの血を引く男性にお願いして、マイレという植物が自生していると場所に連れて行ってもらいました。マイレとはハワイの在来植物のひとつで、ポリネシア・ニューカレドニア・オーストラリアなどに自生しています。ハワイでは、フラとカヌー建造の女神である『ラカ』のキノラウ(化身)として神聖視されています。
また、マイレで作ったレイはお祝いの場に欠かせません。卒業式や結婚式などで、必ずと言っていいほど祝福のために使われます。そのマイレが自生している場所を見学し、マイレのレイ作成を教えてもらいながら、現在のマイレの育成状況やその問題点などを聞くのがマイレ・プログラムです。
注意:このプログラムは既存のものではなく、リクエストによって開催されるものです。
自生するマイレの写真です。通常は2枚の葉が対になっていますが、土壌が豊かだと3枚葉になります。ここの土壌はマイレの生育に理想的な状態のようでした。
ハワイの自然環境の現状について
20世紀は蒸気機関が発明され、海運が発達しました。また、20世紀の終わりごろには、航空機での大量輸送が当たり前となり、海外に旅行する人が増えました。海外への渡航が容易になることは人間の生活を大きく変えましたが、自然環境へも大きな影響を与えました。どのような影響を与えたかというと、今まで存在しなかった生物を、生きたまま他の土地に持ち込んでしまい、生態系に変化をもたらしてしまったのです。
ハワイでは今まで存在しなかった『蚊』が、輸送時間が短くなったことで生きたまま持ち込まれ、その土地では耐性のない病気が広がってしまいました。そして、いくつかの種類の動物や植物が絶滅に追い込まれてしまったということが実際に起こりました。
まず現状を知るところから
ハワイを訪れる方のうち、どのくらいの割合の方がこのような話をご存知でしょうか。昨年はリゾート施設が立ち並ぶオアフ島でも、沿岸から多量のバクテリアが検出されて遊泳禁止になったビーチがいくつもありました。時代は癒しを求めてリゾートへ行くことから、訪れた先の自然環境や伝統を知り、尊重して行動することを求め始めているように感じます。
次回は、実際にネイティブハワイアンと同行した、マイレ・プログラムの様子をご報告したいと思います。