重陽の節句とは?
皆さん、Aloha!オガライフライターのMasaeです。
秋は中秋の名月や秋分の日など、季節を楽しむ行事がありますが、重陽の節句というものがあることをご存知でしょうか。
古来より中国では奇数を縁起の良い陽数とし、1月7日の人日の節句、3月3日の上巳の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句、9月9日の重陽の節句などをお祝いすると共に厄払いも行ってきました。
そして江戸時代にはこの5日を五節句と定めたのです。
9月9日は最大の陽数が重なる日として、重陽の節句と呼ばれています。また、別名を『菊の節句』と言います。
菊と日本人
菊は中国原産でその歴史は古く、3000年以上前には存在していたと言われています。
栽培の歴史も長く、日本人にも広く親しまれています。
日本の国花は桜と菊で、菊は天皇家の家紋にも使われるくらい身近な花です。
しかし、9月9日に菊?と思った方も多いのではないでしょうか?
もともと重陽の節句は旧暦の9月9日。
現在のグレゴリオ暦だと9月9日はまだまだ暑く、菊の花をイメージしにくいですね。
今年2018年の旧暦9月9日は、グレゴリオ暦では10月17日。なるほど菊の季節と言える時期ですね。
菊は延命長寿の象徴
古来より菊の花には延命効果があると言われてきました。
漢方の生薬としてもおなじみで、解熱、解毒、鎮痛、消炎、血圧降下、抗菌などの作用があり、咳、眩暈、冷え症、不眠症、風邪(発熱、頭痛、悪寒)、高血圧や目の充血などの治療に用いられます。
気持ちを落ち着けるため、寝る前にお茶にして飲むと寝つきがよくなるといわれるカモミールや、デトックス効果があると言われる日本人にはなじみの深いヨモギも菊科の植物です。
菊の根も食べられます。キクイモはその肥大した根を食用としますが、水溶性食物繊維の一種であるイヌリンを多く含み、腸内環境の改善や血糖値の正常化に効果があると言われています。
菊はこのように幅広い薬効を持つため、延命長寿の象徴となったのでしょう。
菊のパワーをいただくレシピ!
菊の旬は10月頃から始まり、キクイモの旬も11月から翌年2月頃までのため、9月9日は菊の旬といには早いのですが、日常の食事に取り入れて欲しい食材のひとつです。
食用菊で一般的に販売されているのは、黄色い花の阿房宮(あぼうきゅう)
薄い紫色の延命楽(えんめいらく)
ですが、たくさん手に入ったときは冷凍しておくと使い勝手よく保存できます。
【冷凍保存の手順】
- ガクは苦味が強いため食用にむきませんので、菊の花びらをガクから外します。
- 1Lの水に酢大さじ1の割合で入れ、沸騰させます。
- そこに菊の花びらを入れて、さっと茹でます。
- 花びらをざるに上げ、冷水で冷やしてから水気を絞ります。
- 製氷皿に花びらを詰めて冷凍します。完全に凍ったら製氷皿から外し、ジップロックなど密閉できる袋に入れなおして、冷凍保存します。
- 使うときはワンブロックずつ解凍して使ってください。
解凍して酢の物に足したり炊き込みご飯に混ぜたりして、ほのかな苦味と鮮やかな色味を楽しみつつ、栄養価を底上げする『チョイ足し食材』として活用することができます。
菊は日本最古のエディブルフラワー?
最近よく聞く『エディブルフラワー』。これは食用の花のことで、その栄養価や彩が注目されていますが、菊は昔から日本人に身近なエディブルフラワーと言えるかもしれませんね。