ハワイのソウルフードって何だろう?
みなさん、Aloha!
ハワイは、年間130万人以上の日本人が訪れる、私たち日本人にとって身近で人気のある旅行先のひとつですね。
気候の良さ、景色の美しさ、伝統文化やマリンスポーツなど、その魅力を挙げたらきりがありません。
そんなたくさんの人々を魅了するハワイのソウルフードってご存知ですか?
ロコモコ?パンケーキ?いいえ、ハワイアンにとってソウルフードと言えば、「ポイ」なのです。
ポイとは、タロイモを蒸してペースト状にして発酵させたもので、これこそがかつてのハワイアンの主食でした。
タロイモは人間の兄弟という神話もあり、タロイモはハワイアンにとって神聖な食べ物なのです。
マウイ島キパフルにあるタロイモ畑にて。
ハワイでは80種ほどのタロイモが栽培されており、水田で栽培される品種も多くあります。
ハワイのソウルフード、ポイってどんなもの?
ポイは、タロイモを蒸してからすり潰してペースト状にして発酵させたものです。
ハワイのスーパーマーケットや商店で売っているものを食べたことがある人もいるでしょう。
タロイモは南~東南アジア原産と言われていて、熱帯~温帯地域の広い地域で栽培されています。
日本でよく食べられるサトイモもタロイモの一種で、日本人にとっても身近な植物です。
ハワイで栽培されている蒸したばかりのタロイモは、日本のサトイモとほぼ同じ味と食感です。
しかし、ポイになるとほのかな酸味があります。
この酸味は乳酸菌の作用によるもので、発酵が進むと甘味はほとんどなくなり、食べてみたけど苦手という旅行者も多いようです。
なぜ発酵させるの?発酵食のメリット
ポイを食べてみた日本人旅行者からは、すり潰したばかりの発酵前のポイなら美味しいのに…という声をよく聞きます。
それなら発酵させなければ良いのにと思いますが、発酵させるのには理由があります。まず、発酵により保存性が増します。乳酸菌による発酵が起こると、その食品は酸性に傾きます。酸性の環境では、腐敗を起こす菌は生きていくことができなくなるため、保存性が増すのです。ご存知のように、ハワイは一年を通して最高気温が27度~30度くらいになる暑い熱帯の島です。冷蔵庫がなかった時代には、発酵食は保存性も高く、重宝したに違いありません。
また、乳酸発酵した食物や乳酸菌そのものが腸に届けば、腸内を酸性に整えたり腸内のバランス調整菌が増えたりと、整腸作用が期待されます。
乳酸菌などによって、タロイモに含まれる糖質は分解されてしまうため甘味が減っていきますが、代わりに乳酸が増えて酸味が増すのです。この酸味は、菌が活動して生まれた賜物です。
ポイは消化吸収の良いハワイのソウルフードです
酸味の効いたポイを美味しく食べるコツは、塩味のある食品と一緒に食べること。
豚肉に塩を擦り込んでカマドでじっくり焼いたカルアピッグ、ハワイ版の刺身の漬けのポケ、魚などを塩と一緒にタロイモの葉で包んで蒸し焼きにしたラウラウなどと一緒に食べると、とてもよく合うし美味しいのです!次回ハワイを訪れた際は、ぜひお試しください。
次回は、日本で手に入るサトイモで、ハワイアン直伝のポイの作り方をお伝えします。