こだわりのオーガニックライフスタイル

現役歯科衛生士が考える、オーガニック歯磨き粉とオーガニックオーラルケアとは

投稿日:2019年5月9日 更新日:

虫歯を予防してくれるフッ素配合の歯磨き粉か?身体に優しいオーガニック歯磨き粉か?どちらがおすすめ??

皆さんは歯を磨く時、歯磨き粉を使っていますか?
自分のお気に入りの歯磨き粉がある方もいるかもしれません。私は歯科衛生士として働いて早や10年以上経つのですが、最近患者さんの歯に対する美意識が高くなっているように思います。歯を綺麗に保ちたい!虫歯を予防したい!歯を白くしたい!など、歯に関する関心が高くなっていることを日々、感じています。私にとっては凄く嬉しく思う今日この頃なのですが…

患者さんから時々聞かれることがあります。

「歯磨き粉は、どの歯磨き粉を使うのが一番いいの?」
「ネットで歯磨き粉の成分が危険と書いてあったけど、オーガニック歯磨き粉に変えた方がいいの?」
「オーガニック歯磨き粉は安全かもしれないけど、虫歯予防などの効果はあるの?」

などなどの歯磨き粉に関する質問!
確かに、ネットなどで調べると、難しい事が書いてあったり、極端な情報が書かれてある記事があったり、情報量が多くて逆に何を使えば良いのか分からないのです。

そこで今回は、歯科衛生士でもある私から歯磨き粉の選び方のコツをお教えしようと思います!

 

今、使っている歯磨き粉が危険かもしれないって本当?歯磨き粉は何でできているの?

普段何気なく使っている歯磨き粉の裏面に記載されている成分表を是非見てみて下さい。

・発泡剤/ラウリル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸Na)
・香味剤/サッカリンナトリウム(サッカリンNa)
・薬用成分/フッ化ナトリウム(フッ素)

たくさん成分が書かれてある中で、上記の成分が含まれているものが多いです。
危険物質とネットなどで言われている代表の成分なのですが、これらは何なのか?本当に危険なのか?を私なりに書いてみたいと思います。

 

・〈発泡剤/ラウリル硫酸ナトリウム〉

発泡剤とは、歯磨き粉をモコモコと泡立たせる成分。
ラウリル硫酸ナトリウムは、界面活性剤の一つで、シャンプーやボディーソープに使われているものもあります。界面活性剤は、皮膚や粘膜を刺激して炎症を起こす可能性も考えられます。※必ず炎症を起こしてしまう訳ではありません。

泡立つ事で、磨いた後の爽快感はあるのですが、歯磨き粉がモコモコと口の中で泡立ち広がるので、まだ磨けていないのに、磨けた気になってしまう、という患者さんがいる事も事実です。そのような患者さんに対しては、個人的には、泡立ちが多いものはオススメしていません。

 

・〈香味剤/サッカリンナトリウム〉

香味剤は、歯磨き粉の味、口当たりをよりよくする成分。
サッカリンナトリウムは人工甘味料であり、以前は発ガン性がある可能性があるのでは?と言われていたようです。これは確定されている訳ではありませんが、食品などで添加する場合は、大量摂取を避けるため、食品衛生法などで制限されているようです。

 

・〈薬用成分/フッ化ナトリウム〉

フッ化ナトリウム(フッ素)は、虫歯の発生や進行を予防してくれる成分。
最近、お母さん達も子供の虫歯予防のために、フッ素を利用してくれるようになりました。フッ素の認知度が高くなってきたと思います。フッ素は、自然環境物質であり、日常生活の中で食べ物などにも含まれています。

一方で、フッ素は致死量がある事も事実です。
一度に大量摂取してしまうと、吐き気や腹痛、不整脈などの急性中毒症状を引き起こし、場合によっては死に至ってしまう場合もあります。これは、例えば大人の場合、一度に歯磨き粉を直接何本も飲まない限り、引き起こされる可能性は極めて低いです。しかし、幼児の場合、身体が小さい分、誤って歯磨き粉を大量に誤飲などしてしまった場合、大人よりも少ない量で、急性中毒症状が出てしまう可能性もあります。そのため、歯磨き粉や、うがい薬、フッ素スプレーなどは、幼児の手の届かない所に保管するようにして頂きたいです。

確かに、上記のどの成分もあまり健康的には良くなさそうな気がしますよね?

 

オーガニック歯磨き粉は、どうなのか?

オーガニック歯磨き粉は、フッ素などのフッ化物、保存剤のパラベン、強い研磨剤や人工甘味料など化学物質を使わず、植物性原料を使われています。
抗菌殺菌効果のある、ティーツリーオイル。天然の防腐剤である、ニーム。研磨剤の代用として、バンブーパウダー、真珠パウダー。サトウキビ由来のエタノールを使用されていたり、エイジングケア成分として、果実エキスなど。

合成化合物や界面活性剤を使用せず、植物性原料ならば、確かに健康的には安心かもしれません。
従来の歯磨き粉の中には、研磨剤を多く含むものも多く、コーヒーやお茶などを習慣的に飲む方に多い、歯の表面につく茶色い着色(ステイン)が多少落ちて、歯が少し白くなったように見えるのですが、一方で、歯の表面に細かく傷をつけてしまうものもあります。オーガニック歯磨き粉は、低研磨のものが多く、歯にも優しいようです。

では虫歯予防効果はどうでしょうか?
フッ素配合の歯磨き粉と比較すると、虫歯予防効果は低い可能性があると思います。

 

では、結局どの歯磨き粉を選べばいいの?

危険かもしれないと言われている歯磨き粉とオーガニック歯磨き粉、結局どの歯磨き粉がいいのか。
本来ならば、どちらも使わなくてもいいんです。極論になってしまいますが、歯磨きは、"水"だけで磨くだけでもいいんです。

虫歯を予防するのなら、"歯から汚れを落とす"のが1番大切になってきます。
歯ブラシで、歯を綺麗に磨いた後に、さらにデンタルフロスや歯間ブラシなどを使って、歯ブラシでは届かなかった歯と歯の間の汚れを落としていきます。さらに、歯ブラシでは取れない歯石は、定期的に歯科医院にて除去してもらう事も大切です。

歯磨き粉やうがい薬だけで虫歯や歯周病を予防しようと頼る前に、是非自分でおこなうオーラルケアを念入りに続けて欲しいと思っています。
例え、薬用成分の入った歯磨き粉を毎日使っていても、歯と歯の間に磨き残しがずっと滞在していたら、そこから虫歯になってしまう可能性はとても高くなってしまうからです。
(ただし個人の歯の歯質や唾液などの状況によって虫歯や歯周病になりやすいかどうかは個人差が大きいようには感じます。)

"水"のみで歯を磨くのは、完全なるオーガニックオーラルケアではないでしょうか。
それでも私は、やはり歯を磨いた後の爽快感を求めて歯磨き粉を使ってしまいます。

私が使うのは、歯科医院専売のフッ素配合の歯磨き粉です。

もちろん発泡剤、香味料、研磨剤の含有量が少ないものを選びます。

また歯科医院専売の歯磨き粉は、一般の歯磨き粉と比べて、フッ素の含有濃度が高いものが多いです。虫歯予防効果は高いと思います。完全なるオーガニックオーラルケアではないですが、きちんとオーラルケアを毎日おこなう中で、歯科衛生士として個人的に、やはり虫歯予防効果のある、フッ素は必要な成分かなと思います。

歯磨き粉に含まれるフッ素は、そのほとんどが、うがいで流れ出てしまいます。口の中に少し残った程度の量であれば急性中毒の心配はいりません。どうしても、合成化合物や界面活性剤の配合が気になるのなら、私はオーガニック歯磨き粉もいいと思います!

オーガニックにフォーカスされている今、たくさんのブランドから、オーガニック歯磨き粉が出ています。
オーガニック歯磨き粉は、オーガニック特有の薬草のような香りがする歯磨き粉があり、香りや味が苦手という方もいらっしゃいます。
まずは、いろいろ試してみましょう!
今回の内容が、少しでも皆さんのオーガニック歯磨き粉選びの参考になれば嬉しいです!


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オガライフWriterのemmaさんのプロフィール写真

emmaさん

歯科衛生士として10年間勤めたのち、海外移住を決める。 30歳でギリホリ(ワーキングホリデー)にて、オーストラリアに1年間滞在。 その後ニュージーランドにて半年間程過ごし、その中で出会った人々のオーガニックライフに興味を持つ。 ”自分を幸せにしてあげるために” を日々意識しながら、自分なりの無理をしすぎないオーガニックライフを探究中。

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