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茶道講師が提案する“しなやかな心”の育て方とは?

投稿日:2020年4月17日 更新日:

茶道とヨガを融合させた茶道講師

初めまして。茶道講師のまや子です。10歳から地元の福岡で茶道を習い、高校卒業後は京都にある茶道の専門学校に3年間通いました。その後、趣味のヨガを勉強しRYT200を修了しました。現在は京都で茶道を教える傍ら、茶道とヨガを融合させたイベントなどを開催しています。

 

そもそも茶道は何が学べるの?点前の練習とは

茶道と聞くと敷居が高いと思われる方も多いのではないでしょうか。
「先生が厳しそう」「月謝が高い」「正座がつらい」などのお声をよく聞きますが、実際のところ近年はフランクな教室も増えてきています。(最近の稽古場事情はまた別の機会に記事に出来たらと思っています。)

茶道の稽古は“点前”の練習がメインです。それに付随して、茶室でのマナーや着物での立ち居振る舞いなどが学べます。茶道具からは全国の工芸品の知識、軸と花からは四季や歴史についても学ぶことができます。このように日本の文化と芸術を幅広く学べることから、“日本の総合芸術”とも呼ばれます。茶道には文化的・芸術的な一面があることに加えて、科学的・論理的な考え方、そして宗教的・哲学的な人々の精神性にアプローチする一面もあります。今回は、茶道の精神性における点前の重要さ、そして日常に生かせる茶道の心についてお話しできればと思います。

 

「結構なお点前」の点前とは?

先ほどもお話したように、茶道の稽古は“点前”の練習がメインです。茶道経験がなくても「結構なお点前です」というフレーズは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そもそも点前とは、お茶を点てるための“準備~片付け”の一連の流れのことを言います。例えるなら、空手の型や、ピアノの楽譜のように定まった動作のことですね。稽古では点前を繰り返し練習して、身体に覚えさせます。身体が覚えたら、次は呼吸を点前に落とし込みます。ヨガでポーズをとるとき、ポーズの完成度よりも呼吸に意識を向けるよう言われますよね。茶道も同じで、どんなに綺麗な点前でも呼吸が合っていなければ “結構なお点前”とは言えません。

良い点前の例としては、“風が通りすぎたような点前”“水の流れのような点前”など、自然本来の姿を彷彿とさせる点前だと言われます。点前は一種の呼吸法のようなもので、慣れてくると無心で行えるようになってきます。これはヨガでの瞑想やお寺での座禅で目指す“無”の状態です。点前をしながら内なる自分と対話し、緊張・不安・欲望などの常に揺れ動く感情をコントロールしていきます。何度も何度も同じ点前を繰り返し、呼吸と一体化させ、その先にある無の境地を目指していくこと。これが点前の本質であると考えています。

私の思う無の境地というのは、“風に吹かれればなびき、水の流れに逆らうこともない。ただ核なるところは常に不変である姿”言いかえると“しなやかな心”のことです。しなやかな心さえあれば、どんな困難な状況においても平常心を保つことが出来ると思います。

 

茶道講師が考える“しなやかな心”の育て方

忙しい日々の中でどうやって“しなやかな心”を育めばよいのでしょうか。仕事があって、家族もいて、自分との対面の時間なんて作れない!という方におすすめの方法があります。まず普段より5分早起きしてみましょう。起きたら、窓を開け、正座でもあぐらでも良いので身体を安定させます。それから目を閉じて数分間深い呼吸をしてみましょう。昨日とは違う温度、湿度、風の香り、生き物の声が聞こえてきます。日々地球は変化していることに気づくでしょう。寒くて窓を閉めたい日、暑くて冷房をつけたい日、いろんな日がありますが、少しだけ我慢してみてください。

どうしても集中できないときは庭の植木など何か対象物を一点見つめてください。ゆっくりと呼吸をカウントしてみるのも有効です。寝る前に行っても構いませんが、その日の出来事に感情を左右されがちですので、はじめのうちは朝がおすすめです。毎日行うことで、身の回りの変化をすんなりと受け入れ、順応することができる“しなやかな心”が育つでしょう。ぜひ、日々の丁寧な生活に取り入れてみてください。

 


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まや子

福岡県出身。京都市在住。 能楽を趣味に持つ父の勧めで10歳から茶道を始める。高校卒業後、裏千家学園茶道専門学校へ入学。京都にて3年間学び、茶名「宗耶」を拝受。 趣味で始めたヨガに精神性の面で茶道と相通じるものを感じる。その後全米ヨガアライアンスRYT200修了。茶道をもっと身近に感じてほしいという思いから「お茶ヨガ」など様々なイベントを開催。 趣味は乗馬、ダイビング、ドライブなど自然や動物に触れること。 温故知新をモットーに日々の変化を楽しむよう心がけている。 資格: 全米ヨガアライアンスRYT200修了 裏千家専任講師 茶名「宗耶」

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