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体に優しいチョコレート作りとチョコレートのお話
もうすぐバレンタインですね! チョコレートを贈りあったり、チョコ菓子作りを楽しんだりできるとても楽しいイベントDay!我が家も普段そんなに甘いものは食べないものの、どうしてもバレンタインが近づくと、「チョコレート」に意識が向いてしまいます。
そんなふうに世の中で一番「チョコレート」が注目されるこの時期に、「チョコレートを取り巻く問題」にも意識を向けてみてはいかがでしょうか?今回は、私が以前子育て支援をしていた時のお話も交えて、チョコレートの話をご紹介してみたいと思います。
体に優しい手作りチョコレートレシピ
以前、子育て支援として乳幼児をもつママさんを対象に「体に優しいおやつ作り」教室を開催したことがありました。その時の紹介したレシピはコチラ
【とっても簡単!材料を溶かして混ぜるだけの手作りチョコレート】
ココナッツオイル 70g
ココアパウダー 15g
豆乳のもと 25g(なくてもいい)
メープルシロップ 55g
塩 一つまみ
ココナッツオイルは固まっていたら湯煎で溶かす。材料をすべて混ぜ合わせる。好きな型に入れたり、バナナやイチゴなどのフルーツにつけたり、パフやナッツに絡めたりとして、冷蔵庫で冷やし固める。固まったら完成!ココナッツオイルを使用しているため、冷えれば固まり、温まれば溶ける、を繰り返します。※完成後も温まると溶けちゃうので気を付けてくださいね。
混ぜるだけの簡単レシピなので、仲間内やお子さんと一緒にワイワイと手作りするには丁度いいレシピですよ。
体に優しいココアの選び方
手作りすることの良さは、「作り出す楽しさを感じることができる」という意味合いでも大切ですが、「自分で材料や味の調整をできる」という部分でも大切になっていきます。教室に参加された方の中には、お子さんのアトピーを改善するために食への見直しを行い、毎日の食事をストイックに調整してきたママさんもいらっしゃいました。
「甘いものは体に良くない」と、お子さんが3歳になるまで、砂糖の多いチョコレートは一度もあげたことがなかったそうです。だけど、少しずつ教えていってあげたいという想いと体を心配する想いの両方抱きながら、「体に優しいレシピで一緒に作れるなら。」と参加してくださいました。手作りすることで、良質の材料を選んでいくこと、砂糖(甘み)の調整をしていくことは可能になっていきます。そして自分の目に見える材料で作っていけることで安心感も増していきますね。
「子どもには楽しく、そしてより体にいいものを与えてあげたい。」と我が子を想うママさんたちと共有できた時間はとても楽しいものでした。そんなストイックに子どもと食とに向き合ってきたママさんから、こんな質問をされたのです。
『ココアは、どんなものを選んでいったらいいのでしょうか?やっぱりオーガニックがいいんですか?』
そこで私がおすすめしたいと思ったのは、「フェアトレードのもの」でした。
フェアトレードって何?
「フェアトレード」と言うのは、誰かが犠牲になるような取引のされ方をしているものではなく、売り手と買い手の関係性が対等(フェア)な商品に付けられる称号です。
「売り手と買い手の関係性が対等であること」
それって当たり前のことじゃないの?と感じるかもしれませんが、当たり前ではないのです。発展途上国などでは、労働者が過酷な条件や低賃金で生産されているものや、子どもが強制的に働かされて生産されているものも、まだまだたくさんあるのが現実です。バナナ、砂糖、コーヒー、カカオ、エビ等で、「フェアトレード」の称号がついたものがあるということは、「フェアトレードでないもの」も多いという事実があるからです。
チョコレートを取り巻く問題
チョコレートの場合、原料のカカオの収穫には、子どもが強制的に働かされているという現状があります。世界のカカオ生産の7割を西アフリカの国々が占めていますが、そういった国々での児童労働などが問題視され、改善のための取り組みがされるようになりました。そんな中「フェアトレード」のチョコレートも注目視されるようになってきているのですが、まだまだ問題が解決したわけではありません。児童労働とチョコレートに関する現実課題はたくさん残っているのです。
★「世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE」という団体があります。児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGOです。
(さらに詳しい情報を知りたい方はこちらのサイトをご覧になってみてください。)
「児童労働問題」を伝える活動の紹介
そのほかにも、児童労働問題に対する気づきをもらえるツールがあるので、いくつかご紹介させてください。
★「そのこ」 絵本
ガーナでカカオを収穫している「そのこ」と、日本にいる「ぼく」との日常を描いた、「児童労働」をテーマにした絵本。
★「バレンタイン一揆」 ドキュメンタリー映画
日本の女の子たちが、ガーナで出会った子どもたちから「児童労働問題」を知り、悩み、闘った物語。
知ることの大切さ
私たちが普段何気なく食べているチョコレート。その裏側に「児童労働問題」があるなんて、思いもしなかったです。初めてこのことを知ったとき、心がとても寂しくなりました。自分の子どもと同じくらいの年の子たちが、学校にも行けず、大変なカカオ収穫という労働を毎日課せられている。 中にはそのために強制的に連れてこられている子たちもいる。でも、これが事実だとしたら、それを受け入れる必要があります。この事実を知った上で、自分には何ができるのかを考えていったらいいのではないか?それが私が辿り着いた答えでした。
私がフェアトレードのチョコレートを選ぶ理由
あなたが手にしたチョコレート、それが「児童労働」の上に成り立っているものだとしたらどう感じるでしょうか?「フェアトレード」の称号を受けるには、児童労働がないことが前提とされています。私は、誰かの犠牲のもとに成り立っているものを食べたいと思わなかったので、「フェアトレード」のチョコレートを選ぶようになりました。
何を選ぶかは個人の自由です。ただ、こういう現実があることは知ってほしい。そして自分の中にある選択肢を増やしてほしい。そう思います。「消費を減らす」に限らず、「意識を向けてみる」だけでも変わってくるものがあるのかもしれません。それぞれに心地がいいと思う選択肢を探してみてください。
今回の内容から何か感じたこと、気づきがあれば嬉しいです。自分に何ができるか考え、行動に移せたら、きっと遠い国でカカオを収穫している子どもたちに何らかの形で返っていくものがあると思うのです。「意識を向けてみること」や「自分の心地いいと思う選択をしていくこと」を大切にしてほしいと願います。
オガライフライター eco さん のプロフィール