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【おすすめレシピ】手間が省けてコクが増す!梅シロップは完熟梅で作るといい!

投稿日:2023年5月31日 更新日:

完熟梅で梅シロップを作ってみよう!

6月は梅仕事の季節。私は毎年、梅シロップや梅干し・梅エキスなどを手作りして楽しんでいます。上旬頃に出回る青梅。中旬~7月にかけて出回る完熟梅。一般的には青梅で梅酒や梅シロップが作られます。梅肉エキスも青梅から作ります。完熟梅は梅干し用に用いられます。私のおすすめは、完熟梅で作る梅酒や梅シロップ。完熟梅を使うことでコクや甘みが増して美味しくなると同時に、作るときの手間も省けます。今回は、完熟梅シロップのポイントと作り方、また私が梅仕事をするようになったきっかけもご紹介したいと思います。

 

梅シロップ作りに重要な梅選び!

私は梅を選ぶときは、農薬のないものを選ぶようにしています。

「有機栽培」「自然栽培」の梅を選ぶ理由

一般的にスーパーで売られている梅の実には農薬の心配があります。農薬とは、害虫から作物を守るために使用されるものですが、裏を返すと、クスリによって守られなければ生きていけないくらい弱い作物を育ててしまうという捉え方もできます。対して、クスリに頼らなくても自力で自然界を生き抜いていく力をもっている作物というのは、私たちの体に取り込まれてもなお、その力を発揮していきます。「有機栽培」や「自然栽培」の作物を食べた時に感じる美味しさや味の濃さ、栄養価の高さというのは、自力を強くした育ち方の表れともとれるのです。

「特別栽培」「有機栽培」「自然栽培」の違い

では、具体的な栽培方法や称号の違いを知っていきましょう。

「特別栽培」
化学肥料や農薬を既定の半分以下に抑えたものにつけられる称号です。

「有機栽培」
化学肥料や農薬を使わずに作られたもののことをいいます。「有機JASマーク」は既定の認証を受けたものにつけられる称号ですが、一部の農薬は使用OKとされています。

「自然栽培」
化学肥料や農薬だけでなく、有機肥料も使わないで無肥料で作られたもののことをいいます。こちらは国で認証している称号はないので、分類的には「有機栽培」の一つという位置づけになっていますが、一般社団法人により、一定の条件に従っているものに対して「MOA自然農法」という称号をつけられている場合もあります。

 

梅シロップ作りに完熟梅を使うことによるメリット

完熟梅を使うメリットは2つ!アク抜きの手間が省ける部分と、味にコクが出ること!それぞれ詳しく説明しますね。

1 アク抜き不要になる

梅シロップを作るときに一番難しいとされるのは、事前に水に浸してアクを抜く工程の部分です。なぜ「アク抜き失敗談」をよく目にするのでしょうか?一般的な青梅シロップレシピの場合、事前に梅を水に浸してアクを抜く方法が紹介されます。水に浸しておく時間は、「数時間でいい」と記載のものから「一晩浸しておくといい」というものまでレシピによってまちまちです。初めてシロップづくりをする場合、どちらの情報をとったらいいのかわからなくなってしまいます。

梅は熟し度合いによってアクを抜くために必要な時間が異なります。ものによって違いが出てくるため、一概に何時間と示すことができないのです。また、梅の実は水に濡れると傷みやすくなってしまう性質があります。そのため、水に浸してアク抜きする方法は時間を間違えると失敗する確率が高くなってしまうのです。

アク(灰汁)とは、「えぐみ・渋み・苦み」など、舌に感じる嫌な味の総称です。梅の場合は、熟度によってアクの含有量が違ってきます。青いものほどアクが強く、熟するほどアクは少なくなっていきます。完熟梅はアクの含有量が少ないためにアク抜きの必要がないとされるのです。また、有機・自然栽培の梅であれば、作物自体にえぐみ等がそれほど生じないため、青梅の段階でも水に浸すアク抜きは必要ないとされます。

2 熟しているのでコクが増す

単純に熟度が高いほど、味にコクが増します。また完熟梅の場合は、エキスの上がりも早くなります。完熟梅を使うことでコクや甘みが増すために砂糖の量も減らせるのです。

 

「完熟梅シロップ」の作り方

では実際に完熟シロップの作ってみましょう!

1 容器の消毒

雑菌が入ったりカビが生えたりしたいように、容器は事前に消毒をします。方法は様々です。

・煮沸消毒
鍋に入るようなビンやふた等は、鍋で沸かしたお湯にくぐらせ消毒します。大きいビンなどは、淵からお湯を回しかけるようにすると消毒ができます。いきなりビン底にお湯をかけると割れてしまうことがあるので注意しましょう。

・アルコール消毒
アルコールや焼酎(35℃以上のもの)やお酢で、瓶の内側を拭くことでも消毒になります。

・天日消毒
よく洗ってから天日干しするだけでも消毒になります。

2 完熟梅を使った梅シロップのレシピ

<材料>
完熟梅 2kg
粗糖(てんさい糖、きび糖 等) 1.6㎏
※一般的な梅シロップづくりには氷砂糖が使われますが、完熟梅レシピでは粉の甘味料で作ります。
保存容器(4ℓ容量のもの、消毒をしておく)

<作り方>
梅は濡れ布巾で拭き、ほこりや汚れを取る。また、口のヘタの部分も竹串などで取り除く。
梅の表面に竹串やフォークで穴をあける。10か所くらい
粗糖→梅→粗糖→梅→……梅→粗糖 と、最初と最後が粗糖になるように交互に重ねる。
フタをして数日おく。3~4日すると果汁が出始めるので、ビンをゆすってよく混ぜる。
2週間ぐらいで梅のエキスが出尽くして梅がシワシワになります。これくらいから飲み始められますが、1年、2年、3年と熟成させても美味しくなります。

 

食の記憶と梅仕事

私が梅仕事をするようになったのは子どもが生まれてからです。印象に残っているのは、当時アパート暮らしだったのですが、戸建てアパートの端に住んでいたので、たまたま隣の一軒家のおばあちゃんと仲良くなりました。そのお家には梅の木があり、時期になると梅の実がたくさん実るので、おばあちゃんは梅ジャムをたくさん作って、知り合いの人たちに配るのです。私も少しお裾分けをいただきました。
暑くて暑くて食欲が落ちていた時、私も、子どもも、なぜかおばあちゃんの梅ジャムだけは食べられたのです。私の中から、「自分も梅ジャムを作ってみたい!」という思いが出てきました。実際に作ってみると、なんだかおばあちゃんの梅ジャムとはちょっと違うんだよな…という感覚。試行錯誤しながら、どうやったら美味しく梅を食せるのか、と探求が始まっていきました。梅仕事にはそんな私の「食の記憶」が重なります。


私は子どもを産んでから、たくさんの人との関わりを通して、季節の食べ物や自然の恵みに感謝する喜びという感覚を呼び起こしてもらったように感じています。この時期にしか出回らない梅を見ていると、「自然の恵み」というものに、より一層思いを募らせてしまいます。ぜひ、季節を味わえるものを食していく機会を大切にしてみてください。季節や自然を感じながら手作りしていくことにまで楽しみを広げられたら最高ですよね。

オガライフライター eco さん のプロフィール


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eco さん

子どものアトピーアレルギーをきっかけに「食」への学びを深める。そこから「自然に習う」が生活の軸となっていき、季節感や風習等を大切にするようになる。食の学びから、→オーガニック、自然育児へも関心が広がっていき、自主保育や子育て支援も経験。また、食育や自然食の提供も経験していく。そして、→サスティナブル、エシカル、循環する社会、パーマカルチャー等へも興味が広がっていき、2022年、栃木県佐野市より長野県下伊那郡に移住。より自然豊かな地にて自給力をあげる暮らしに挑戦中!自分らしく在れる暮らし方を、楽しみながら模索しています♪

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