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冬の土用!季節の変わり目の食養生とは?

投稿日:2023年1月26日 更新日:

冬の土用

季節は「大寒」に入り、もうすぐ「立春」を迎えますね。この「大寒」や「立春」とは、「二十四節気」という1年を24等分した季節の数え方の一つ一つです。今の時期は「冬の土用」の期間にもあたります。「土用」というと、「土用の丑の日にうなぎを食べる!」と「夏の土用」がクローズアップされていますが、土用は年に4回、春夏秋冬の季節ごとにあります。

 

土用とは

土用というのは季節の変わり目の時期のことで、それぞれ「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前の18日間のことをさします。

春夏秋冬それぞれの土用

(2023年の場合)
冬の土用 1/17~2/3(立春前)まで
春の土用 4/17~5/5(立夏前)まで
夏の土用 7/20~8/7(立秋前)まで
秋の土用 10/21~11/7(立冬前)まで
※土用期間は年によって変わります
※土用の入り日によって18日間でない場合もあります

土用の由来とは

土用の由来は、古代中国から伝わった「陰陽五行説」が基になっているといわれます。「陰陽五行説」とは、自然界のすべてのものが「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素から成り立っているという考え方です。これに「季節」も当てはめて考えられており、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」、そして「土」は季節の変わり目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前の18日間に割り当てられました。この時期は土の氣が盛んになるとされ「土旺用事」と呼ばれるようになり、それが約され「土用」と呼ばれるようになったそうです。

土用にやらないほうがいいこと

土用にはやってはいけないといわれることがあります。それが、就職や結婚や開業などの新しいこと。旅行もよくないといわれます。土用は季節の変わり目の時期のため体調を崩しやすいので、大きな変化を起こすようなことはせずに養生して過ごしたほうがいいという謂れのためなのだとか。また、「土動かし」(土いじり、草むしり、基礎工事、井戸掘り等)もしてはいけないとされています。土用期間は土公神(どくしん)という陰陽道の土をつかさどる神様が土中にいらっしゃるためといわれています。

 

土用の食養生

では、土用期間はどのように養生していったらいいのでしょうか?一番に挙げられるのは「食養生」です。本来の「食」というのは、「季節」や「体」と密接に関わり合っているもの。その季節にあった食べ物を体に摂り入れていくことはとても重要となっていきます。

五行の分類から見た季節と体

前述したように、「陰陽五行説」では自然界のあらゆるものを5つの要素に割り当てています。「体」や「臓器」も5つの要素で見ることができ、その場合、「土」には「脾臓」が重なっていきます。「脾臓(脾)」というのは、消化器系全体の機能のことをさします。また、体液バランスを保つ働きや、血液をつくる働き、エネルギー(後天の氣)をつくり出す働き、生殖能力ともかかわっているともいわれ、とても重要な役割の担い手です。

脾に良い食べ物

では、脾を養う食べ物とはどんなものでしょうか?

ポイント①体内に湿気をため込まない

「脾は湿を嫌う」といわれます。そのためポイントは「いかに体内に湿気(水分)をため込まないようにするか?」と捉えるといいかもしれません。まずは、生もの、冷たいもの、甘いものの摂りすぎ、脂っこいものを控えるようにして、体内に湿気をとりこまないようにしていきましょう。そして、利尿作用のある食べ物を積極的にとっていき、体にたまった湿気を出していくことも大切になっていきます。特にこの時期におすすめなのが、利尿作用が高く、不要物を排出させる効果のある小豆です。ぜひ取り入れていってみてくださいね。

ポイント②甘いものの摂り方

「甘いものは脾を養い、過ぎるとこれを傷める」ともいわれます。ここでいう甘いものとは自然の甘みのことなので、甘みのある野菜などはいいですが、砂糖や甘すぎる果物、お菓子等の加工品には注意が必要になってきます。

<おすすめの土用に食材>

かぼちゃ、さつまいも、ニンジン
玉ねぎ、キャベツ、かぶ、カリフラワー
玄米、あわ、ひえ、きび トウモロコシ
甘酒、葛
干し芋、干し柿
たくあん

ポイント③疲れやすいときにはエネルギー補給を

脾はエネルギーをつくり出す役割も担っています。脾が弱るとエネルギーがうまくつくり出せなくなり、「疲れやすくなる」という症状が出てくるのです。そんな時は、牛肉や鶏肉などの肉類、えび、うなぎ等を食すと速やかにエネルギーが供給されます。「土用の丑の日にはうなぎを食べる!」というのは、こんな理由から始まったものなのでしょうね。

 

季節の変わり目を乗り越える生活習慣

また、食べ物だけに頼るのではなく、季節の変化に慣れさせる生活習慣も重要になっていきます。まずは室内の冷暖房に頼るばかりではなく、積極的に外へ出ていき、気候の変化に体を慣らしていく習慣をつけていくといいでしょう。体内に水分が滞らないように、適度な入浴や運動(ウォーキング等)で汗をかける身体づくりをしていくことも有効的になっていきます。季節の変わり目に体調を崩しやすい人は、特に意識して、できることから始めてみてくださいね。

 

由来を知ることで広がる意識

「土用の丑の日にはうなぎを食べる!」「節分には豆まきをする!恵方巻を食べる!」と行事や風習として残っているものも、どうしてそのようなものを食べるのか?どうしてそのようなことをするのか?まで意識が向かなくなってしまっている今日。ちょっとした由来を知るだけで、見え方が広がっていき、意識が変わっていきませんか?そして、感謝の念をもって、さまざまな行事や慣わしに倣っていけるようになるのではないでしょうか?そういった自分自身の見え方や意識の変化を大切にしていきながら、日々の暮らしを楽しんでいきたいものですね。

オガライフライター eco さん のプロフィール


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eco さん

子どものアトピーアレルギーをきっかけに「食」への学びを深める。そこから「自然に習う」が生活の軸となっていき、季節感や風習等を大切にするようになる。食の学びから、→オーガニック、自然育児へも関心が広がっていき、自主保育や子育て支援も経験。また、食育や自然食の提供も経験していく。そして、→サスティナブル、エシカル、循環する社会、パーマカルチャー等へも興味が広がっていき、2022年、栃木県佐野市より長野県下伊那郡に移住。より自然豊かな地にて自給力をあげる暮らしに挑戦中!自分らしく在れる暮らし方を、楽しみながら模索しています♪

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