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深い呼吸を取り戻す 身体・心・精神の安定のためのヨガ
私たちはストレスを抱えているとき呼吸が浅く乱れています。呼吸が浅くなることで自律神経のバランスが乱れ、代謝低下や臓器の働きの抑制、血行不良による肩こりや腰痛、慢性的な疲労感やイライラ、不眠などを抱えがちになります。深い呼吸を習慣的におこなうことで自律神経のバランスを整え、免疫力アップや冷えの改善、便秘解消、安眠や心をリラックスさせる効果が期待でき、さらに精神的な安定にもつながります。ヨガで呼吸を大切にしているのは身体・心・精神を整える効果があるからです。
呼吸を整えてリラックス!心を落ち着かせてくれるリストラティブヨガ
数あるヨガの種類のなかでリストラティブヨガはリラックスできるヨガ、ストレス解消のヨガとしておすすめです。リストラティブヨガは心身の回復、リラックスを目的とした静的なヨガです。プロップスと呼ばれる補助具・ブランケット、ボルスター、ブロック、ベルトなどを使用し、身体を安定させながら時間をかけてチカラを手放していくヨガです。身体の動きを敢えて止め「何もしない」ことでマインド・思考の働きが鎮まりやすくなり、私たちが本来持っている身体の回復力や治癒力を取り戻すことを大切にしています。
前回記事「ヨガインストラクターが解説!自宅でできるリストラティブヨガの方法をご紹介!」ではリストラティブヨガの基本編であるベーシックリラクゼーションポーズをご紹介しました。今回は深い呼吸を取り戻し、忙しさやストレスからくるせわしないマインドの働きを和らげ、姿勢の改善にもつながるリストラティブヨガポーズをご紹介します。
簡単!自宅でできるリストラティブヨガポーズを解説~呼吸編~
リストラティブヨガでは環境づくりも大切です。静かで(テレビやスマートフォンなどの電源を切り)、冷えないよう適度に暖かくし、間接照明などを使用し落ち着く程度の比較的暗い部屋でおこなっていただくことがリラックス効果を高めるポイントです。
【用意するもの】
・ブランケット(シングルサイズ。できればしっかりとした生地のもの)2枚
・タイマー(安心して身をゆだねることができるよう時間を計ります。)
*身体(脊柱)の安定性を大切にするため、ふわふわしたソファなどの上は避け、ヨガマット(冷えるようであればその上にブランケットを敷きます)、カーペット、畳の上などでおこなってください。
①四つ折りにしたブランケットをロール状にし、先端を少し折り返します。写真(下記参照)のように縦に配置します。
②身体を冷やさないように上からかけるブランケットを用意し、タイマーを5~15分にセットします。
③ロール状にしたブランケットの上にまたがるように座り、ブランケットをかけながら背骨が縦に置いたブランケットの上に乗るように仰向けになります。折り返したブランケットが首のカーブに添うようにし(ブランケットの先端に「ぼんのくぼ」が当たるようにし)、頭は床に着くように位置を調整します。腰に違和感がなければ脚を伸ばし、手のひらを上向きに身体から少し離して置き、身をゆだねるようにチカラを手放します。
*首や腰に違和感、痛みを感じたらポーズを中止してください。
④目を閉じ、奥歯の噛みしめを解いて、広がった胸の辺りで感じる自然な呼吸に意識を向け、全身を床にゆだねるようにチカラを抜きます。チカラが抜けないようであれば口からため息をつくように何度でも大きく息を吐き出してみてください。
⑤タイマーが鳴ったらすぐに起き上がらず、今の呼吸に意識を戻します。
⑥ゆっくりと両ひざを立て横向きに転がり、太ももをおなかに近づけるように丸まった姿勢でしばらく休みます。呼吸や身体、心の変化に気づき、その変化や効果をジャッジせずにやさしく見守るようにしてみてください。
⑦起き上がり、ご自分の日常に意識的にゆったりとした心持ちで戻りましょう。
呼吸に気づく時間は『今のわたし』に寄り添う時間
今回のリストラティブヨガポーズは背骨に緩やかな後屈を作り出しているため、パソコンやスマートフォンなどを使用する頻度が高い方に多く見られる猫背などの姿勢改善にもおすすめです。日常のなかでストレスや疲労を感じるとき、新型コロナウィルスの影響による精神的な不安や感情の揺れ動きに戸惑うとき、「今の呼吸」に気づく時間を持つことでせわしなく動き続けるマインド・思考を「今、ここ」に引き戻し、心を落ち着かせてくれます。疲労を感じる一日の終わりにもおすすめですのでぜひお試しください。あなたに安らぎと健やかさがありますように…。