誰もがグッタリする梅雨時の主な不調
梅雨のジメジメとした雨というのは、単に気持ちを憂鬱にさせるだけではありません。肌にまとわりつくような湿気と、温暖化によって年々蒸し暑さが増し、まるで天然のサウナに入っているかのような気候は、普通に過ごしていても身体を疲労させます。高温多湿であること以外にも低気圧の停滞、日照時間の減少など自律神経を乱す要因が1ヵ月ほど続きますので、その後に控えている夏の暑さに負けないためにも、日々身体を丁寧に整えておきたいものです。梅雨時によくみられる不調といえば、むくみ、冷え、胃腸トラブル、うつ状態、頭重感、重だるさなどがあげられます。女性の場合は、そこにホルモンバランスも影響してきますので、梅雨を快適に過ごすには少し工夫が必要です。
女性が感じやすい梅雨の不調のトップは『むくみ』
梅雨に起こりやすい不調の中でも、女性が特に感じやすいのが『むくみ』です。これは女性が男性に比べて筋肉量が少ないことや、低気圧によって女性ホルモンのバランスが乱れることが関係しています。さらに、雨で屋外での活動が億劫になり、運動の機会が減ることもまた要因の1つです。水分代謝が上手くいかず、体内に余分な水分が溜まると『重だるさ』や『冷え』を感じるようになります。
むくみは見た目にも影響するため、女性としてはものすごく気になる悩みですよね。この時期、カウンセリングをしていると、「むくみやすいので…」と水分摂取を極端に控えられている方が多くみられます。水分を控えてしまうと逆に血流が悪くなって老廃物が流れにくくなり、むくみを増長させてしまいます。身体を冷やし、むくみやすくなる冷たい飲み物・食べ物は避け、常温のお水や白湯、ハーブティーなどを少しずつ、小まめに摂るようにして、体液の流れをスムーズにしておきましょう。
梅雨の不調は『脾』の働きの低下が原因
東洋医学では梅雨は『脾』の働きが弱りやすい時期といわれています。『脾』は消化吸収を司っていまが、過剰な『湿』や『熱』に弱いため、蒸し暑い梅雨は食欲不振、胃もたれ、吐き気、便秘や下痢を繰り返すなど、消化器系にトラブルが出やすくなるのです。『脾』の弱りはココロにも影響し、あれこれ思い悩んだり、やる気が起きなかったりと、プチ鬱状態に陥ることも稀ではありません。
『脾』の働きを落とさないようにするには、食事は腹八分目を心掛け、消化の負担になる脂っこい食事や冷たい物を避けることが全身の疲労回復にも繋がります。とうもろこしや豆類は『脾』の働きをサポートする食材ですので積極的に取り入れたいですね。特に大豆は水分代謝を良くし、女性ホルモンのバランスを整えることも優れていますので、女性にとって梅雨時の強い味方になってくれますよ。
梅雨は香りでスッキリ爽やかに乗り切ろう
身体に溜まった『湿』を追い払い、『脾』の働きを整えるにはアロマが有効です。頭重感や重だるさにはペパーミントやレモンなどでの芳香浴を、むくみや疲労感、胃腸の不調ならマッサージすると身体が軽くなります。マッサージのポイントは足先や手先などの先端から心臓に向かって、呼吸のリズムに合わせて手を動かすことです。香りは水分の代謝・循環を促すならジュニパー、サイプレス、ゼラニウム。お腹の調子を整えるならペパーミント、スイートマジョラム、レモン、フェンネルなどが最適です。
オススメとしては植物油30mlに対し、ペパーミント×1滴、ゼラニウム×2滴、レモン×3滴が、どなたでも使いやすい香りのブレンドです。マッサージが億劫な時は足浴も良いですね。洗面器などに足首が浸かるくらいの少し熱めのお湯を張って、好きな精油を2・3滴垂らし、よくかき混ぜてから足を浸すだけでスーッと疲れが抜けていくので、気力が湧かないときの癒しになります。気分に合わせて香りを使い分けながら、爽やかに梅雨を乗り切りましょう。
※レモンは光毒性がありますので、マッサージで使用する際は、日光の当たらない夜に使用するようにしてください。また、肌の弱い方は刺激を感じることもありますので、その場合は芳香浴、もしくは必ずパッチテストを行ってからご使用ください。