世界で認められる日本茶
日本でお茶が作られるようになったのは平安初期。今から約1200年も昔のことです。この間に日本の茶栽培・製造技術は、世界のほかのどの地域とも違う独特の発展を遂げてきました。特に酸化を止めるために茶葉を蒸す工程は、日本茶に特徴的です(中国茶など他のお茶は炒ることがほとんど)。そんな日本茶は17世紀から海外に輸出されるようになり、日本以外の国々でも親しまれるようになりました。さらに近年の健康志向や和食ブームを背景に、日本茶の任期は世界中で高まっています。日本茶の中心である緑茶の輸出額は2016年に過去最高の約115億円と、15年前の3倍近くに増えました。世界で認められる日本茶。今回はお茶マニアの私が特におすすめしたい日本茶を3種類紹介します。日本にいるからにはぜひ飲んでみたいものばかりです!
かぶせ茶
かぶせ茶は、日本の最も代表的なお茶「煎茶」の一種です。一般的な煎茶と同じように、摘み取った葉を蒸すことで発酵を止め、粉状にすることなく茶葉のまま飲みます。煎茶との違いは、栽培方法にあります。かぶせ茶は茶葉を摘み取る3~10日間ほど前に、木に遮光幕をかぶせて日光を遮ります。これにより渋みのもとであるカテキンが減り、旨みの元であるテアニンが増えます。また色も明るい緑色を帯び、香りも豊かになるのが特徴です。
最高級の緑茶として知られる「玉露」も日光を遮る工程を踏みますが、玉露の場合は社交の期間が2週間ほどとかぶせ茶に比べて長くなります。そのため、かぶせ茶は煎茶と玉露の中間と言っても良いでしょう。味わいは甘くてスムーズ、渋みはほとんどありません。玉露はなかなか手を出せない…という人はぜひかぶせ茶を試してみるのが良いでしょう。私は特に京都おぶぶ茶苑のかぶせ煎茶がお気に入りです!
ほうじ茶
日本に住む人なら、「ほうじ茶」の名前を聞いたことのない人はいないでしょう。しかし、ほうじ茶がどんなお茶なのか意外と知らない人は多いのではないでしょうか。ほうじ茶は、煎茶や番茶などの緑茶を焙煎したお茶のことを言います。1920年代の京都で、余った茶葉の処理に困った商人が、茶葉を炒ってみたところ、独特の香ばしさが人気になったのが始まりです。
ほうじ茶はお腹に優しいことが特徴。そのため病院などで提供されることも多くなっています。カフェインも少な目で、苦みもほとんどありません(これは焙煎により苦み成分のタンニンが壊れるため)。ほうじ茶の香ばしさは温まりたいときに最適!私は少し肌寒くなってくるこの季節になると、毎年ほうじ茶が飲みたくなります。ほうじ茶はミルクにも合うので、最近はラテなどの飲み方も人気になっています。
玄米茶
玄米茶ほど「日本らしい」お茶はないかもしれません。煎茶などの緑茶に炒り玄米(精米の場合もある)を混ぜた玄米茶は、日本独特の味わいを楽しめます。ポップコーン状に爆ぜた米を混ぜることもあります。どこか懐かしい味のする玄米茶は、近年海外でも人気沸騰中。玄米の香ばしさと、ご飯を食べたかのような満足感のする味がユニークです。高血圧を予防する効果もあると考えられています。玄米茶は心地よい苦みがあるため、ケーキや和菓子などの甘いものにもよく合います。
まだまだ紹介しきれない!お茶マニアがおすすめするお茶をお楽しみに!
以上、お茶マニアがおすすめする日本茶を3つ紹介しました。どれも見慣れた・聞き慣れたものかもしれませんが、一度味や香りに意識を向けてみると新たな発見があるかもしれませんよ。次の記事ではおすすめの紅茶を紹介したいと思います。お楽しみに!