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みなさんこんにちは!Mikaです。
長かった夏も終わり季節はすっかり…….と始めたいところですが、
10月のサンフランシスコ・ベイエリアは“インディアン・サマー”という不思議な名称の小春日和が続いていて日中は照りつける日差しが肌に痛いほどです。
7-8月がちっとも夏らしくない冷夏のサンフランシスコでは、ようやく暑くなるこの時期を楽しみに、ビーチでゴロゴロしたり、
ルーフトップでビールを飲んで騒いだり、人々は遅めの夏のアクティビティをEnjoyしている真っ最中。
そこかしこがパンプキンオレンジで溢れ、木の葉がちらほらと赤や黄に染まりだす気配と、まだまだ夏の盛りが続くこの感じ…
なんだか変な気分ですが、そんなごちゃまぜ感の中でも季節は確実に移り変わっています。
秋から年末にかけて国民的行事が盛りだくさんのアメリカで、そろそろ序盤の一大イベント、ハロウィンがやってきます!
そこで今回は、本場アメリカからサンフランシスコ郊外のリアルなハロウィン事情をお届けしたいと思います!
本場のハロウィンどんな感じ?
日本でハロウィンというと子供やごく一部の限られた若者が楽しむ仮装イベント、コスプレパーティーというイメージがありますが、
アメリカのハロウィンは、学校や地域も巻き込んでお祭り騒ぎの大イベント。
子供だけでなく大人たちも意気込みが違います!
ハロウィンの歴史は元々、アイルランド系移民が持ち込んだ死者を祀るキリスト教の祭りが由来だそうですが、
今では宗教的な意味合いは薄れ多宗教のアメリカで誰もが楽しめる貴重な民間行事の一つとなっています。
新学期のスタートが9月のアメリカでは、新しい環境に親も子も慣れてきてホッと一息つく10月初旬頃から、街はハロウィンムード一色に!
コスチュームを買ったり作ったり、家の中や外をデコレーションしたり、キャンディーやチョコを買ったり、パーティーの準備をしたり…
お店にはありとあらゆるグッズが並び、市場規模1兆円とも言われるハロウィン商戦が今、まさに繰り広げられている真っ只中なのです!
ハロウィンといえばパンプキン!
ハロウィンと言えば、欠かせないのがやはりオレンジ色をしたパンプキン。
中身をくり抜いてジャック・オ・ランタン(Jack-o’-Lantern)を作ったり玄関先にいくつも並べて飾ったりします。
ご近所の素敵なパンプキンデコレーション。残念ながら我が家ではありません(笑)
とにかく種類が豊富で、リンゴ、メロン、スイカ程の大きさのものから、抱えきれないほど巨大なものまで、色も形もなんでもあり。
まるで人種のるつぼ、この国そのものですね!
ファーマーズ・マーケットのパンプキン売り場は圧巻!
この時期、ファーマーズ・マーケットやスーパーはもちろん、パンプキンを販売する専門ファーム、
通称“パンプキン・パッチ“というものがあちこちに出現するのもアメリカ秋の風物詩。子供も一緒に楽しめると聞いて我が家も早速出かけてきました。
色とりどりのパンプキンがゴロゴロ転がり、好きなものを選んでカートに乗せていきます。
ただパンプキンを売っているだけの農園ではありませんよ!
ジャンプハウス、ポニーライド、トレインライド、今回行った農場ではトウモロコシ畑の迷路なんていうのもあって、
小さな子供がいる家族連れが多く来ていました。子供を遊ばせに来て、かぼちゃもついでに買う、という順番でしょうか?!
かぼちゃは買わずとも、遊びにだけ来る親子連れも多い?!
この季節ならでは“ヘイライド”では、干し草を敷き詰めた荷台に乗り込み、トラクターでファームを散策。
引っ張ってくれるのが馬なら気分はまるで“大草原の小さな家”のローラ!
食べられないパンプキン!
ところで、みなさん、こんな大きなかぼちゃ、どうやって食べるの?と思われるかもしれませんね。
実はこれ、中身はスカスカで食べられないのです。
パンプキン・パッチで売っているような巨大なものは、もはや食用ではなく、デコレーション専用。
オレンジ色でも小ぶりなパンプキン・パイという品種なら、おかし作りやスープ作りに使えますが、
食材として料理に使うかぼちゃは“パンプキン”とは呼ばれず“ウィンター・スクワッシュ”と総称されます。
この辺りでは“カボチャ・スクワッシュ”と呼ばれて、日本のかぼちゃも普通に売られているんですよ!
その中でもさらに“オレンジ・カボチャ・スクワッシュ”日本の栗かぼちゃと同じく“クリ・カボチャ“など様々なタイプのKabochaが作られていて、
もちろんオーガニックのものも出回っています!
小さいですが上の方に“Organically Grown”(オーガニック栽培)とちゃんと書いてあります!
我が家では皮付きのまま調理することが多いので、出来るだけオーガニックのものを選ぶようにしていますが、
日本で食べていたのと同じようなホクホクで甘く美味しいかぼちゃが手軽に入手できるなんて、ありがたい限り!
(詳しくはこちらもどうぞご参照ください!)
怖くてあたたかい“Trick or Treat!”
ハロウィンの代名詞ともなっている“ Trick or Treat!”
子供たちが近所を練り歩いてカゴいっぱいにチョコやキャンディーなどを集める有名な風習ですが、
その時に目安となるのが“Haunted House(お化け屋敷)”と呼ばれるお家のデコレーションです。
必ずしも“お化け屋敷”でなくとも、玄関先や前庭にピカピカ電気が点いていたり、ゾンビや骸骨などの不気味な人形を飾っていたりするお家は、
ドアをノックすると、たいていお菓子を用意して子供たちを迎えてくれます。玄関先のデコレーションは、こんなサインにもなっているのですね!
効率よくお菓子を集めたい子供たち(&親たち)は、ショッピング・センターや商店街に行ったり、ハロウィン・デコレーションで有名なストリートに出かけたりもします。
普段は普通の住宅街なのに、なぜか、いつからか、その一角だけものすごくハロウィン・デコレーションが派手で、Trick or Treatの名所のようになっているエリアがあったりするのです。
場所によっては、ちょっとした観光地のようになっていてパトカーまで出動して車両通行止になり、仮装した大人や子供たちで大賑わい!
住民の皆さんの気合いの入れようたるや!!!本物のお化け屋敷さながらのリアリティで、
アメリカ人のパーティーにかける本気を垣間見るのはこういう時。さすがはパーティー大国の底力です!
大人でさえも直視できないほど恐ろしい大掛かりな装置?のようなものまであったり、こんなものまで売られていることにも、
これを買う人々がいることにも、もうどこから驚いていいやら(笑)
そんなお化け屋敷の主の皆さん、ニコニコしながら 「あらま、可愛いわねー」と子供たちに声をかけながら、
お菓子を配ってくれるのですが、これもハロウィンならでは、地元の人たちとの大切な交流のひと時です。
ドアを叩くと出てきてくれるのは、おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさんの他にも、ワイングラスを片手にほろ酔い気味のお兄さんやお姉さんだったり、
ちょっと前までもらう方だったけどもう卒業してこっち側(あげる方)よ、というお姉ちゃんやお兄ちゃんたちなど、様々。
コスチュームを褒めあったり、笑いあったり、仮装していても、いなくても、みんなが楽しそうで、お菓子をあげる人も、もちろんそれをもらう子供たちも嬉しそうです。
人のあたたかさに触れ、地域やコミュニティとの一体感を再確認できる、ハロウィンにはそんな一面があることも、アメリカに来て初めて知ることが出来ました。
アイディア勝負のハロウィン・パレード!
本気でホラーを追求する人々がいる一方で、ひたすら笑いを追求する人たちもいます。そんなウケ狙い派はコスチュームで勝負!
せっかく仮装したならみんなにお披露目したいですよね。ハロウィンの数日前になると、あちらこちらでパレードやイベントが催され、
仲良くみんなで仮装するファミリーや、カップル、友達同士など、大人も一緒になって自慢のコスチュームで和気あいあいと楽しみます。
衣装は、おとぎ話やディズニーキャラクター、テレビや映画のヒーローものなどの定番系から、
ホットドックやポップコーン、カップケーキ、ドーナッツなどのフード系、ミツバチ、てんとう虫、蝶々などの昆虫系など様々、なんでもあり!
ハロウィン・コスチューム専用ショップが店舗でもネットでも数多あり、市販のものだけでも目がくらむほどの種類だというのに、
それでも飽き足らず衣装を手作りしてしまう人々もいて、選択肢は無限大です!
小学校では、父兄を招いてハロウィン・パレードが企画されたりしますが、これがまた楽しい!
昨年は、トランプ大統領がいたり、子供たちの間で爆発的に流行ったおもちゃ“フィジェットスピナー”がいたり、土地柄テック系のアイテムも多数。
ここまでくるとほとんど“欽ちゃんの仮装大賞”!
キャプテンに扮した校長先生、普通に似合いすぎてかっこいいですね。生徒に大人気です。
子供だけでなく、親のやる気も関係しそうですが、親子や友達同士でワイワイ言いながらアイディアを出し合ったり、衣装を作ったり準備の過程も楽しそうな様子が目に浮かびます。
低学年ほどプリンセスやヒーローものなど、無難な横並びのコスチュームになりがちなのに、高学年になるにつれ、
発想力も豊かになり、手作り衣装も目立つようになるあたりが面白いですね。
学年が上がれば上がるほど、恥ずかしさが先行したり、みんなと同じじゃなきゃ、と周りの目が気になりそうなものですが、そこは全く逆!!
いかに目立つか!他人と違うことをやるか!
それぞれの個性が光り、クリエイティビティにも磨きがかけられて、多様化していくのがアメリカン・キッズのハロウィン・コスチューム。
そう考えると、アイディア勝負、クリエイティビティが試されるハロウィン・パレード、日本の小学校に取り入れてみるのも案外良いかも?しれません!
アメリカにだって、ハロウィンなんて商業的過ぎる、仮装なんてバカバカしい、と考える人たちもいることでしょう。
一方で、いつもどこかに遊び心を忘れない子供のような大人たちが盛り上げ、牽引して自分たちが楽しんでいるのがエンタメ大国のハロウィンなのです。
人を楽しませること、自分を楽しませることを、そんな大人たちの背中で学ぶ子供たち。ふと懐かしく、生まれ故郷の盛大な秋祭りと、アメリカのハロウィンが重なって見えたりするのでした。
今年はどんな趣向を凝らしたコスチュームや、ホラーなお化け屋敷が見られるでしょうか?
みんなが楽しみにしているハロウィンまでいよいよカウントダウンです!
ハロウィンパーティー(友人宅)のデザートテーブル。ひとつひとつがとても可愛い!