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オーガニック食品を選ぶならどれがいい?残留農薬ランキング“Dirty 12 & Clean 15”  ご紹介!

投稿日:2019年5月17日 更新日:

オーガニック食品について考える!

こんにちは!オガライフライターの美香です。

この春でアメリカ生活も丸5年になりました!が・・・いまだに食材選びでは戸惑ってばかりの私です。こちらのスーパーでは、ほとんどの食材で、オーガニックか非オーガニックか選べることが多いのですが、値札を見比べながら行ったり来たり、予算を気にしなければ、残留農薬も少なく、栄養価も高いと言われるオーガニック食材の方がいいに決まってますよね。

でもやはりちょっと割高なんです。2-3割ならまだしも、モノによっては倍近く値段が違うと手が出なかったり…。そんな時に役立つのが、今日ご紹介する“EWG’s Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™” というお買い物ガイドです!

NPO団体のEWG(Environmental Working Group)が、残留農薬の基準値が高いものから順に逆に低いものからランキングしてそれぞれ、Dirty12、Clean15として独自のリサーチ結果をリスト化したもので、毎年春に更新されています。アメリカでは、“Dirty Dozen”としてこの時期メディアやSNSに登場して、食に関心の高い人々の間でちょっとした話題になるのですが、家庭で使うシーンを想定して、普通に水洗いした野菜や果物に残る残留農薬について調査した結果をまとめています。

では、さっそくこちらのガイドのランキング結果を見ていきましょう。

 

残留農薬の多い少ない野菜&果物ランキング

2019年度の調査結果は以下の通り。47位までの全ての品目のリストを参照したい方は、EWGのこちらのサイトからどうぞ!

Dirty 12

1. Strawberries(いちご)
2. Spinach(ほうれん草)
3. Kale(ケール)
4. Nectarines(ネクタリン)
5. Apples(りんご)
6. Grapes(ぶどう)
7. Peaches(桃)
8. Cherries(さくらんぼ)
9. Pears(洋梨)
10. Tomatoes(トマト)
11. Celery(セロリ)
12. Potatoes(じゃがいも)

Clean 15

1. Avocados(アボガド)
2. Sweet corn(スウィートコーン)
3. Pineapples(パイナップル)
4. Sweet peas (frozen)(冷凍グリーンピース)
5. Onions(玉ねぎ)
6. Papayas(パパイヤ)
7. Eggplants(なす)
8. Asparagus(アスパラガス)
9. Kiwis(キウイ)
10. Cabbage(キャベツ)
11. Cauliflower(カリフラワー)
12. Cantaloupes(マスクメロン)
13. Broccoli(ブロッコリー)
14. Mushrooms(きのこ)
15. Honeydew(ハニーデューメロン)

なんと、いちごは4年連続の不名誉な1位!
ベスト10入りしている果物は子供たちが大好きで皮ごと頬張るものばかりで、やはりこのあたりはオーガニックを選びたいところ。

そして、今年新たに順位をあげたのは人気野菜のケール。
スムージーやサラダ、炒め物やお菓子づくりにまで使える万能で栄養価も高い葉野菜ですが、常連のほううれん草と同じくらい注意が必要とのこと。これまで全く意識したことがありませんでした(汗)

逆に、皮が厚いアボガドやコーン、パイナップルなどはオーガニックでなくてもOKということで、こちらのガイドを参考にするようになってから日々の買い物がグッと楽に迷いが少なくなりました!

 

オーガニックかそうでないか、よりも大切なこと

なんとなく安全そうだからというイメージだけで、“オーガニック“に引っ張られたり、農薬は絶対ダメ、と決めつけたり神経質になりすぎるのもちょっと違うのかもしれません。
雨の少ないカリフォルニアと違って、高温多湿な日本の気候ではオーガニック農法は難しいと聞きますし、私の親戚や友達の農家さんは、必ずしも有機栽培農家ではありませんが、皆さん安全で美味しい農作物を栽培することに精魂と愛情を注ぎながら日々研鑽されています。

オーガニックかそうでないかを気にするより、どんな生産者がどんな想いで作っているものなのか、その背景にあるストーリーに興味をもったり、流通経路について知ることも同じくらい大切だと思っています。アメリカでも、USDA(米国農務省)の規定に基づいたオーガニック認定を得るためにはお金も時間もかかるので、小さな家族経営の生産者の方々にとっては必ずしもそれは簡単なことではないことも素人ながらに理解しています。

週末通っている地元のファーマーズマーケットで、抜群に味の良いオレンジやみかんなどの柑橘農家があるのですが、オーガニック認定はないものの、生産者の方と話をして「スプレー(殺虫剤)は使っていないし、丹精込めて作っているよ」という言葉に嘘はないと感じています。

自分が何を信じるか、どんな人から何を買いたいかは、オーガニックかそうでないかに拘るより、もっと自由で、楽しいものだと思うのです!

 

人にも環境にも優しく、フレキシブルに!

アメリカに暮らしていると、野菜や果物だけでなく、肉や魚、乳製品やお菓子に至るまでありとあらゆるものが、オーガニックか非オーガニックか、だけでなく、誰がどのように作って、どこから来て、どのように運ばれて、それがどのように価格に反映されているのか…多種多様な食材や食品の中から、納得して選ぼうと思ったらそれ相応の知識が必要なことを痛感します。

スーパーでスマホ片手に立ち尽くし
「これって何?どうやって使うの?」と調べるところから始まり、地元産か、オーガニックか、天然か養殖か、牧草育ちかそうでないか….etc

結局、よくわからないまま、あやふやなままでなんとなくカゴに入れてしまうこともよくあります。こっちでよかった?あっちとどう違うの?どうやって選んだらいいの?・・・・たかだか日々の買い物ですが、小さな迷いは尽きません(泣)
選択肢が多いことは良いこと、あらゆることで個人の自由が尊重されるこの国では、食の安全についても全てが自己責任(怖い!)

知識がないまま、安いから、楽だからという理由だけで食べ続けた結果、肥満や癌などの生活習慣病などで健康を害したとしても、誰を責めることも出来ないのです。(実際はファーストフード店相手に訴訟を起こす人もいるのですが…)
家族の健康と家計をまず第一に、時には生産者の方々や地域、環境や生態系にも少し意識を向けてみて、自分たちがどんな考えや価値観で、何を守りたくて、何を大切にしたいのか。アメリカでも日本でも、消費者として私たちが考えることにきっと大差はないはず。

今回のランキングを見て「苺はオーガニックじゃなきゃ危ない!絶対食べない!」と極論に走るというより、知っていて注意して口にすることと、知らずにただ口にすることは、大きく違う。そのことにまず気付くことが大事なのかもしれません。残留農薬が気になるものは、できるだけオーガニックを選んだり、専用洗剤を使ったり、どうしても必要でなければ他に代替がないか考えてみたり、賢く、フレキシブルに向き合っていけたら理想ですね。

EWG’s Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™

「Dirty 12 & Clean 15 」食の安全に対するリテラシーを上げるための参考として、お買い物で迷った時のガイドとして、お役立て頂ければ幸いです。


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オガライフWriterのMika Teraoさんのプロフィール写真

Mika Teraoさん

シンガポール、東京で人材関連などの仕事を経て、2014年夫が仕事の拠点をニューヨークに移したのを機にアメリカ生活を始める。 2年前にサンフランシスコ郊外のベイエリアに移ってからは、体にも人にも優しいオーガニック食材の魅力にのめり込み、作ること、食べることが最大の楽しみに。 目下のところ、野菜や果物、ナッツ、チーズ、肉など地元産の新鮮な食材を使って作る、簡単で美味しいカリフォルニアの料理を研究する毎日。 日々の生活では、子育て(3歳と6歳)と家事に追われて消耗しそうになりながらも “Happy Mom makes Happy Kids” をモットーに、ファーマーズマーケット通いや料理、ヨガなどで心身のバランスをキープするよう心がけている。 Blog: “What’s Mika Eating SF Bay Area” Instagram: Mika (@mika.mkca)

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