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不盗(アステーヤ)=物を盗むだけではない?!
前回のヨガの八支則のヤマ・ニヤマは正直(サティヤ)についてお話しましたが、今回は禁戒(ヤマ・やってはいけないこと)のひとつの不盗(アステーヤ)について説明します。不盗(アステーヤ)は人から物を盗まないことで、お金だったり高価なものなどといった物理的なことを盗まないようにすることです。
もちろん、非暴力(アヒムサ)や正直(サティヤ)の時と同じように直接的な意味だけではありません。
不盗(アステーヤ)は見えないものにも対象に?!
不盗は物を盗む以外の意味も含まれています。
私がインドで学んだことや知り合いとのディスカッションで出てきたことは以下になります。
・人の時間を盗むこと
友人や上司・同僚などの人の時間を盗むことも含まれています。
私がとある職場でスタッフが上司に意見をしている現場を目撃しました。その方は改善をしてほしいというよりも愚痴を聞いてほしいみたいで他のスタッフの悪口をずっと話していました。その上司の方も若干うんざりしつつも、手を止めてうんうんと聞いていました。生産性の無い愚痴や文句を人に言うことも、人の時間を盗むことに繋がるそうです。
・自由を奪うこと
人が自由に動けず、身柄を拘束したり・監禁することも相手の自由を奪うことになります。日本だと監禁罪に繋がり、犯罪ではありますが、海外だと普通にあることなのでこれも不盗(アステーヤ)に繋がります。
・嫉妬すること
嫉妬も不盗(アステーヤ)に繋がるという話を聞きました。相手の見た目・お金・学歴など…自分に持っていないものを羨み、財産を盗んだり、相手に文句や嫌みを言って時間を盗む行為になるそうです。もちろん、嫉妬してるだけの時間も無駄になるので、時間が盗まれてしまってます。
不盗(アステーヤ)で盗んでいいものは技術や知識など、いいものはOK
ここでただ「盗んではいけない」というだけではないのがヨガの八支則。自分の師匠の技を盗んだり、自分の今後の為に勉強をしようとセミナーや勉強会に行って講師の知識を盗むことは大丈夫です。つまり、いいことに使う技術や知識は盗んでも大丈夫です。
不盗(アステーヤ)の根底は自分も他人も傷つけないこと
不盗(アステーヤ)は物理的な意味ではなく、時間や自由など目に見えないものも含まれることがわかりました。
不盗(アステーヤ)の前に以前解説した非暴力(アヒムサ)と正直(サティヤ)があります。つまり、その根底には自分も他人も傷付けてはいけないということです。
物や時間などを盗むことによって誰かが悲しみ傷付くことは不盗(アステーヤ)の実践以前に禁戒(ヤマ)が実践できていないことになります。ヨガは自分自身も回りもハッピーにしていくものです。自分も誰かもハッピーにする為に禁戒(ヤマ)を実践しましょう!
次、禁戒(ヤマ)のひとつ、禁欲(ブラマチャリヤ)についてお話します。