体を動かすのも、息をするのもヨガ哲学
こんにちは。
前回の記事で、ヨガの八支則の第一段階「ヤマ」、第二段階「ニヤマ」についてご説明致しました。
前回の記事はコチラ
今回は、第三段階「アーサナ」、第四段階「プラーナーヤーマ」についてお話していきます。
「アーサナ」とは、ポーズのことです。ヨガと聞いて、まず思い浮かべるのはこの段階ではないでしょうか。そして、「プラーナーヤーマ」とは、呼吸法のことです。そのどちらも、ヨガの根本経典ヨーガスートラに記されています。各々詳しく考察していきます!
ヨガの八支則 アーサナ
まず、第三段階目のアーサナ、についてです。
アーサナ、座法とも言いますが、ヨーガスートラによると「アーサナは快適で安定したものでなければならない」と書いてあります。そもそも4000年前ヨガは瞑想を深める修行法の一つとして始まっています。蓮華座で瞑想を深め、悟りを開こうとしていたヨガの行者さんたちですが、やはり体のバランスが整っていないと、長い間坐したまま心穏やかに保つことは難しいと悟ったのでしょう。
私も何度かお寺の座禅会に参加したことがありますが、まず初めに肩周りなど動かしてストレッチしてから、目を閉じ瞑想がはじまりました。長い時間同じ姿勢をとりつつ心を穏やかに保つ為には、全身の筋肉がバランスよく鍛えられ、なおかつ柔軟性が高いことが必要であったのです。
それは、現代を生きる私たちにも活きてきます。
運動不足で肩や腰が凝り固まって痛い、といった状態で家事や仕事をこなすより、アーサナ実践によるバランスの整った筋肉や関節で、滞りなく手足が動いたほうが心穏やかに過ごせるのではないでしょうか。ヨガのポーズはよくできています。全身の筋肉や関節をまんべんなく使うことができ、ゆったりした呼吸でキープすることで、遅筋という細くしなやかな筋肉をつけることができるのです。
ヨガの八支則、プラーナーヤーマ
さて、第三段階アーサナの上に、第四段階プラーナーヤーマがあります。
これは、呼吸法のことです。アーサナで整えた体の中を、穏やかな呼吸により体内の気を流していく、という段階になります。ヨガ哲学において、「気」は「プラーナ」といいます。目には見えない生命エネルギーのことです。会陰部から頭頂部まで、背骨に沿ってエネルギーの通り道であるナーディがあり、プラーナはこのナーディを通って下から上へ流れていきます。
ナーディを川、その中を通るプラーナを水の流れと例えることにしましょう。
川(ナーディ)の途中には、流れをせき止める7つの車輪があります。この車輪をチャクラと言います。穏やかな深い呼吸により、会陰部から流れる川(ナーディ)に水(プラーナ)を流し、車輪(チャクラ)を一つずつ回し、頭頂部まで水(プラーナ)を流していくのです。
そうすることで、体内のエネルギーレベルを高めていくことが出来るのです。
話が少し難しくなってきましたが、背中がぐにゃっと曲がっていては、背骨の辺りをプラーナはしっかり流れることは出来ませんよね。
ですので、先にアーサナで姿勢を整えておく必要があります。チャクラ、だなんて出てくるとなんだかピンと来ない、と思う方もいらっしゃいますよね。生理学的にも、呼吸を整えていくことは非常に有意義な効果があるのです。吸う息は交感神経を優位にし、吐く息は副交感神経を優位にします。交感神経は私たちを活動的にしてくれる神経ですが、たかまり過ぎると心身症の原因となります。
ストレスがかかった状態、交感神経優位が続くことは、病気の一因となり得るのです。
両者のバランスが取れていることが健康のためにも大切ですが、呼吸により、吸う息と吐く息のバランスを整えることで、交感神経と副交感神経のバランスを調整し、健やかな心身を保つことができるようになります。
まだまだこれからが面白いヨガ哲学
今回は、第三段階「アーサナ」、第四段階「プラーナーヤーマ」についてお話し致しました。
ヨガは、体操という側面もあるけれども、ただやみくもに体を動かすのではなく、体を動かすにも理由がある、ということに気付いて頂けましたら嬉しいです。アーサナも呼吸法も、それ自体が上手になることが目的ではなく、いつでも心を穏やかに保つため、という目的があります。
そして、最終段階のサマーディへの大切な準備なのです。
最終段階へのステップについては、次回以降、順をおってお話いたしますね。更新を楽しみにお待ちいただければと思います。
私の主宰するヨガ教室では、レッスン冒頭でヨガ哲学についてお話させていただいています。
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