汗をかけない人が増えている理由とは
酷暑といわれるほどの暑い日でも、あまり汗をかかない、あるいはまったく汗をかけないという人がいます。汗をかかない方が、お化粧崩れも気にならず、一見涼やかに見えて女性としてはメリットに感じてしまうかもしれませんね。ですが、汗をかくことができないと体内に熱がこもってしまうため、熱中症のリスクが高まり危険です。病気である場合を除いて、汗をかけない原因には「冷房が効いた室内で過ごす時間が長い」、「運動の習慣がなく筋肉量が少ない」「冷たいものの摂り過ぎで内臓が冷えている」「加齢」などが挙げられます。
汗腺の数は2～3歳頃までに決まるといわれており、エアコンが普及している現代では、もともと汗腺の数自体が少ない人も増えているようです。そうでなくても、汗腺は使われないと機能が衰え、能動汗腺の数がどんどん減っていってしまいます。夏は滅多に外出しない、運動も嫌いという人は、能動汗腺の数が少なくなっているかもしれません。今回は熱中症リスクと汗腺の関係性についてご紹介します。
汗をかけない人は汗腺を鍛えて熱中症リスクを防ごう
汗をかく習慣がないと能動汗腺の数が少ないため、どっと吹き出すような汗のかき方になり、大量のミネラルが汗と共に流出してしまいます。このような汗はベタベタしていて蒸発しにくいため、体温調節には不向きです。体温調節機能を果たすじんわりサラッとした汗をかけるようになるには、定期的に汗をかくトレーニングをして、休眠している汗腺を目覚めさせる必要があります。涼しい時間帯にウォーキングなど有酸素運動をすることは、全身の循環を良くし、暑さに身体を慣れさせるのにも有効です。その際、水分をしっかり摂ること、そして大きな歩幅で腕をしっかり振り、早歩きくらいのスピードで行うことがポイントです。また、汗をコントロールしている自律神経を整え、外気温をキャッチしている肌センサーに刺激を与えるのも良い方法です。まず、かけ湯をしてから40℃くらいの少し熱めのお湯に数分間浸かり、次に30℃くらいのぬるめのシャワーを手足中心に30秒程かける。それを何回か繰り返し、最後はお湯に浸かって終わるという温冷交代浴で鈍った感覚を戻してみましょう。
汗をかけないのは『心』の弱り
東洋医学では発汗過多も、反対にまったく汗をかけない状態も、五臓の『心』の働きの弱りによるものと考えます。『心』の働きを整えるには、やはり適度な運動をし、睡眠をしっかりとることです。夏は夜の時間も短く、眠りが浅くなりやすいので、アロマのチカラを借りて睡眠の質をあげましょう。寝る前に、折りたたんだティッシュにラベンダーを1滴垂らして目を閉じ、ゆっくり吸う息と共に、香りを体中に広げるようにしながら3回ほど深呼吸をしましょう。そのティッシュを枕元に置いて寝ると、驚くほど良く眠れます。汗をかけない人の多くは気血の巡りが悪く、冷えを抱えているケースが多くみられます。身体を温め、『心』を養うシナモン、ブラックペッパー、麹、アーモンドなどを食卓に取り入れてみるのも良いですね。
アロマと部分浴で発汗機能を取り戻そう！
良い汗をかける身体づくりとして、手浴や足浴も効果的です。手浴は主に上半身の滞りに、足浴は全身の巡りをよくして温めてくれます。そこに、血行促進作用のある精油や、発汗に影響のある『肝』、『心』、『腎』に対応する精油を垂らすと一石二鳥ですよ。
【手浴、足浴にオススメの精油】
ラベンダー、ローズマリー、ベルガモット、マジョラム、イランイラン、ジュニパー、ゼラニウム、ネロリ、ローズ
【手浴・足浴】
- 大きめの洗面器に少し熱いと感じるくらいのお湯を、手首やくるぶしがしっかり浸かるくらいまで張ります。
- 精油を2・3滴垂らして、油膜を散らすようによくかき混ぜてから、手or足を浸けます。
- そのまま10～15分程ゆったりと浸かりましょう。その際、冷房で冷えないように首や肩まわり、脚にバスタオルを掛けて行って下さい。途中でお湯が冷めてきたら差し湯をします
気温40℃なんて数字も目にするようになり、熱中症リスクは年々上がってきています。汗をかけない身体から脱出するためにも、汗腺を鍛えてみてくださいね。
