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清浄(ショウチャ)の前にまずは観戒(ニヤマ)からおさらい
前回はヨガの八支則の「禁戒(ヤマ・やってはいけないこと)」のひとつ「不貪(アパリグラハ)」について説明しました。
今回は「観戒(ニヤマ)」のひとつである「清浄(ショウチャ)」について説明します。その前に、観戒(ニヤマ)とは何なのかと思われる方が多いかと思います。まずは観戒(ニヤマ)の説明をします。観戒(ニヤマ)は禁戒(ヤマ・やってはいけないこと)の逆で進んで心掛けるものです。
「清浄(ショウチャ)」「知足(サント―シャ)」「苦行(タパス)」「読誦(スヴァーディーヤ)」「祈念(イーシュヴァラ・プラニダーナ)」の五種類からあります。
清浄(ショウチャ)は簡単に言えばきれいにすること
まず「観戒(ニヤマ)」のひとつ目は「清浄(ショウチャ)」はきれいにすることです。何をきれいにするかは様々なものをあります。私がインドで勉強した時は4つあると学びました。
・部屋など過ごす場所をきれいにする
自分の部屋や仕事場をきれいにすることです。インドは何処に行っても汚いイメージがありますが、お店を開けた時から店員さんがきれいに掃除をしている為、気持ち良くご飯を食べることができます。
・自分の身体をきれいにする
匂い・汗などで見た目から他人に不快感を与えます。自分の身体をきれいにすることも相手への思いやりかと思います。
・心をきれいにする
見た目では判断できませんが、清浄(ショウチャ)では心をきれいにすることも含まれています。心のクレンジングはヨガや瞑想を頑張ったり、禁戒(ヤマ)と観戒(ニヤマ)を守ることできれいになります。
・身体の中身をきれいにする
身体の外をきれいにするお話もしましたが、身体の中身もきれいにすることも含まれています。いったいどのようにきれいにするのでしょうか?
ヨガの身体の中身のクレンジングである「シャットカルマ」について説明します。
ヨガ流清浄(ショウチャ)のひとつ、シャットカルマとは?
古代ハタヨガの指南書である「ハタヨガプラディピカ」によると、肥満・粘液体質の人は呼吸法(プラーナヤーマ)を行う前に「シャットカルマ」という浄化法を行うことをおすすめされています。「シャットカルマ」とは6つの浄化法で身体の中をクレンジングし、肥満・粘液質から来る疾患、身体の中の不浄なものを浄化すると言われており、これらを行ってから呼吸法(プラーナヤーマ)を練習するとスムーズにいくと言われています。
今回は6つのシャットカルマを紹介します。
・トラタカ
ろうそくをまばたきせずに涙が出るまでじっと見つめる方法です。目のクレンジング効果はもちろん、脳や心の浄化にも繋がります。
・カパラバティ
素早くお腹をへこませて息を数十回吐く浄化法です。内蔵機能の向上に繋がります。
・ナウリ
簡単に言えば、片岡鶴太郎さんみたいに、お腹をへこまして内臓をマッサージする方法です。もちろん、最初からできるものではないので、インドにいる時はお腹をへこませることを繰り返して内臓マッサージする方法で私はやりました。消化器系の向上や腹筋強化に繋がります。
・ネティ
簡単に言えば鼻うがいです。鼻に水を入れて出す方法である「ジャールネティ」と鼻に紐を通して口に出してゴシゴシ洗う「スートラネティ」があります。これらは鼻の中の清掃だけでなく、神経が鼻の裏に繋がっているのか、脳のそうじでもあるとのことです。
・ドウティ
胃の中を浄化する方法です。色々な方法がありますが、私が実際インドで行ったものは塩水を2リットル飲んで一気に吐き出した方法です。胃の中はきれいになったかと思いますが、好転反応なのかその日一日は気分が優れませんでした、汗
・ヴァスティ
ヨガ式の浣腸のことで水を肛門に入れて行います。大腸機能向上などの効果があります。
シャットカルマはすべて一応、インドにて体験はしましたが、日本では考えられない方法だったので、衝撃を受けたものはありました。ただ、個人的にはトラタカとネティの効果は体感しているので、日本に帰ってもやっています。もし、ヨガを学び体感してみたい方は一度チャレンジしてみるといいかと思います。
清浄(ショウチャ)の実践で身も心もきれいに
清浄(ショウチャ)は目に見える清潔さだけでなく、身体の中や心のことも指していることがわかりました。シャットカルマまではチャレンジしなくても、ヨガを日常から学ぶことを止めなければ、心身ともに美しくなるかと思います。次は観戒(ニヤマ)のひとつである「知足(サントーシャ)」について説明します。